ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

呼気

短編
あらすじ
梅雨の長雨に包まれた老朽アパート「コーポうずまき」三〇五号室に暮らす営業マンの〈私〉は、ある夜、隣室との境の壁が呼吸するように脈動していることに気づく。触れると生温かく柔らかい壁、聴診器で聞こえる肺の音――壁は確かに“生きて”いた。管理会社の点検では異常は否定されるが、壁は〈私〉にだけその正体を開示し、次第に部屋全体へと増殖していく。

やがて〈私〉は壁の呼吸と同調し、外界の空気を拒む身体へと変質。栄養も安らぎも部屋から与えられ、意識と肉体は空間に溶け込んでいく。侵入者を排除するために部屋は暴力的な“咳”を起こし、〈私〉は最後の役割として出入口の隙間を自ら塞ぐ。

人としての認識を失い、完全に「部屋」そのものとなった〈私〉は、三〇五号室の肺として静かに呼吸を続ける。次の入居者を待ちながら。
Nコード
N7604LQ
作者名
バリブリくん
キーワード
純文学
ジャンル
ホラー〔文芸〕
掲載日
2026年 01月17日 13時19分
感想
0件
レビュー
0件
ブックマーク登録
0件
総合評価
0pt
評価ポイント
0pt
感想受付
受け付ける
※ログイン必須
レビュー受付
受け付ける
※ログイン必須
誤字報告受付
受け付ける
※ログイン必須
開示設定
開示中
文字数
5,489文字
作品を読む
スマートフォンで読みたい方はQRコードから

同一作者の作品

N7622LQ| 作品情報| 短編| ホラー〔文芸〕
改装された集合住宅の一室で暮らす〈私〉は、毎晩決まった時刻に自分の身体を測定し、数値として記録する習慣を持っている。体温、血圧、体重、脈拍――老いや摩耗を管理可能なデータへと還元することで、〈私〉は安定した日常を保ってい//
N7619LQ| 作品情報| 短編| ホラー〔文芸〕
マンションの七階に暮らす〈私〉は、外廊下から見える向かいのマンションの一室を、いつの頃からか意識するようになる。ベージュのカーテンが閉じたままの窓。少し開いた隙間。夜に見える白い影。開け放たれた窓辺に立つ見知らぬ男。 //
N7617LQ| 作品情報| 短編| ホラー〔文芸〕
二〇二六年一月十五日。設計図面のトレース業務を在宅で行う〈私〉は、毎朝の習慣として、自宅の各所を計測している。レーザー距離計とコンベックスによって記録される数値は、昨日よりもわずかに、しかし確実に変化していた。 部屋は//
N7612LQ| 作品情報| 短編| ホラー〔文芸〕
梅雨の半ば、丘陵地の古い集合住宅に暮らすフリーランス校正者の〈私〉は、部屋の空気がわずかに「重く」なっていることに気づく。湿気とも水漏れともつかない違和感は、やがて水音となり、身体感覚としての「水位」を伴って、部屋の中に//
N7604LQ| 作品情報| 短編| ホラー〔文芸〕
梅雨の長雨に包まれた老朽アパート「コーポうずまき」三〇五号室に暮らす営業マンの〈私〉は、ある夜、隣室との境の壁が呼吸するように脈動していることに気づく。触れると生温かく柔らかい壁、聴診器で聞こえる肺の音――壁は確かに“生//
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ