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集団ストーカー       :約3000文字

短編
あらすじ
「――でしょ!」

 ――ん?

「ちゃんと証拠撮ってるから! 逃げんな! 盗撮魔!」

 昼下がりの近所のショッピングモール。買い物を済ませ、エスカレーター脇のベンチに腰を下ろして一息ついていた、そのときだった。突然、天井に突き刺さるような女の怒声が吹き抜けの空間に反響し、おれは反射的に声のほうへ顔を向けた。
 そこにいたのは、中年の女だった。くすんだ色の上着に色褪せたスカートを合わせ、薄汚れた白い帽子を目深にかぶっている。手入れされていなさそうな黒髪を後ろで一つに束ね、腕を突き出すようにスマホを構え、若い主婦風の女に詰め寄っていた。
 主婦風の女は通話中らしく、スマホを耳に当てたまま顔を強張らせ、視線を泳がせながら小走りでその場を離れていった。
 取り残された地味な女は、その背中を睨みつけたまま立ち尽くし、怒りで肩を小刻みに震わせている。
 盗撮――可能性がゼロとは言い切れないが、逃げていった女はごく普通で、むしろ穏やかそうに見えた。十中八九、あの女の勘違い……いや、妄想だろう。精神を病んでいる類の人間だ。こういうのは関わらないに越したことはない。
 おれはそう結論づけ、視線を落として小さく息を吐いた。

「あなたもでしょ」

「えっ」
Nコード
N7202LW
作者名
雉白書屋
キーワード
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ジャンル
ヒューマンドラマ〔文芸〕
掲載日
2026年 03月12日 11時00分
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