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求めていたものは……

短編
あらすじ
 一人用宇宙ポッド、Y-22298fは果ての無い暗闇とそれに浮かぶ小惑星帯、その間を縫うように抜け、孤独な航海を続けていた。
 その座席に腰を沈める彼は、また一つ大きな欠伸をした。
 自動操縦であり、地球本部からの指示通り動き、また定期的に情報を送る。ゆえに彼は何もすることがない。口を開ける時は今のような欠伸かナッツを一つ、放り込むことくらいだ。
 気が楽でいいが一人用ということだけあって、いかんせん狭い。
 体を縛るベルトを外して立ち上がる気も起きず、手足を投げ出し、お情けで付けられた小さな窓の外をぼんやりと眺める。
 それでも前にいたところよりはマシと思うべきか。
 あそこは狭い上にぎゅうぎゅう詰めであった。そしてそれは、このための訓練だったのだろう。他にも毎日やりたくもないことをやらされた。体に針を入れられた。苦痛を与えられた。その繰り返しで変化がなかった。
 これに乗せられた時はワクワクしたが、結局は似たようなものか。
 自由が欲しい。でなければせめて変化が欲しい。
Nコード
N7153IO
作者名
雉白書屋
キーワード
ショートショート
ジャンル
宇宙〔SF〕
掲載日
2024年 01月11日 11時00分
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文字数
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