- あらすじ
- 僕は騎士を喪った。
私は母を喪った。
僕は母を殺された彼女に申し訳なく思った。
私は騎士を殺された彼を哀れに思った。
僕は構えた弓を投げ捨てた。
私は命を差し出した彼に寄り添った。
僕達はまだ幼過ぎた。
私達はまだ温もりから離れたくなかった。
僕達は助け合わなければ生きられなかった。
私達はそれぞれでは立ち直れなかった。
そんな生活も月日が経てば気慣れたものになっていった。
ぎこちない日常も季節が巡れば心安らぐものになっていった。
彼女の牙は大きな脅威も恐れ慄くものだった。
彼の弓は気付かれないままに獲物を仕留めてみせた。
何よりも気の知れた仲になった。
寝食を共にするのが当たり前になった。
寒い日に身を寄せ合って眠るのが心地良かった。
暑い日に水を浴びせ合うのは楽しかった。
でも。
けれど。
僕は王子であるという事実からは逃れられなかった。
私は人と共に生きる事への苦難を知らなかった。
※ハーメルンにも投稿しています - Nコード
- N7048HF
- 作者名
- ムルモーマ
- キーワード
- 残酷な描写あり 日常 ムシュフシュ ドラゴン 友情 異世界 書き出し祭り
- ジャンル
- ハイファンタジー〔ファンタジー〕
- 掲載日
- 2021年 09月26日 07時00分
- 最終掲載日
- 2022年 04月05日 10時00分
- 感想
- 3件
- レビュー
- 0件
- ブックマーク登録
- 19件
- 総合評価
- 142pt
- 評価ポイント
- 104pt
- 感想受付
- 受け付ける
※ログイン必須 - レビュー受付
- 受け付ける
※ログイン必須 - 誤字報告受付
- 受け付ける
※ログイン必須 - 開示設定
- 開示中
- 文字数
- 130,648文字
設定
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
侘しい仔竜と逃亡王子
作品を読む
スマートフォンで読みたい方はQRコードから

同一作者の作品
N7827KF|
作品情報|
短編|
パニック〔SF〕
僕の記憶は嘘ばっかりで出来ていた。昨日みんなで見たはずの出来事を、聞き直してみれば誰もそんな事など起きていないと言う。昨日食べたはずの給食の献立が、献立表とすら違う。何年か経った後に、原因が分かった。
『僕』は13人い//
N8235IG|
作品情報|
完結済(全11エピソード)
|
空想科学〔SF〕
「旧人類は繁栄の後に、誰も彼もが結婚という不自由な選択肢を選ばなくなってしまったので滅んでしまいました!
それから何万、何十万と歳月が経った後には、新しい種族達が地球に台頭します!
旧人類と同等に賢い頭を持つ私達は、//
N5654IF|
作品情報|
短編|
コメディー〔文芸〕
忍便--その名の通り便意を耐え忍ぶ競技--はその年の豊作を祈る神聖な儀式として、毎年欠かさず行われる。
便意を耐え忍ぶという、人として生を受けたのならば一度は経験した事のあるであろう状況。
競技としての忍便は、食物//
N1184IF|
作品情報|
短編|
エッセイ〔その他〕
大学以来の友人と6年振りに再会しての旅行の道中。
N7969IC|
作品情報|
短編|
エッセイ〔その他〕
6年振りに母校の会津大学に行こうと思った
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。
この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。