- あらすじ
- 幼なじみの麗、律、奏、響の4人は、インディーズバンド「Twinkle Note」としてメジャーデビューを目前に控えていた。ボーカルの麗とギターの律は天賦の才能を持ち、奏と響は彼らを深く尊敬しながらも、秘めたる才能とコンプレックスを抱えつつ活動していた。
しかし、オーディション最終審査に向かう途中、麗と律が事故で他界。残された奏と響は、絶望の淵に突き落とされる。だが、麗と律の言葉に背中を押され、二人の夢を継ぐことを決意。ボーカルを奏、ギターを響が担当し、麗と律になりきって最終審査に臨む「成りすまし」を提案する。当初は反発したドラムの健太とベースの涼子も、最終的には二人の決意を受け入れる。
麗と律を完璧に模倣しようと練習に励む奏と響。しかし、健太と涼子は彼らの「偽りの音」を拒絶し、バンドの音はまるで空をさまよう「無音のコード」のようだった。それでも二人の秘めたる才能が開花し、模倣の精度が上がるにつれて、健太と涼子も徐々に希望を見出し始める。
オーディションが始まり、奏と響の麗と律になりきったパフォーマンスは審査員やファンを驚かせた。だが、完璧な模倣を続ける中で、奏は自分自身の歌を見失う不安に、響は律の影を追いかける中で自身の音を見失う感覚に苛まれる。麗の魂を受け継ぎつつも奏自身の歌が、律の音を再現しつつも響自身の情熱が、無意識に滲み出ていく。
最終ステージで、奏は麗としてではなく、自分自身の「声」で、響は律のコピーではなく、自分自身の「音」を奏でたいという強い衝動に駆られる。戸惑う周囲をよそに、彼らの演奏は、亡き二人への追悼と未来への決意を込めた、4人にしか出せない新たな「Twinkle Note」の音へと変化していく。健太と涼子もその「新しい音」に寄り添い、バンドはこれまでにない盤石な響きを奏でる。オーディションの結果は描かれないが、彼らは模倣ではない、新たな生命力に満ちた自分たちの音楽を創造していく旅を始めるのだった。 - Nコード
- N6912KU
- 作者名
- Tom Eny
- キーワード
- ネトコン13 123大賞6 パッシュ大賞 ESN大賞9
- ジャンル
- ヒューマンドラマ〔文芸〕
- 掲載日
- 2025年 07月22日 21時50分
- 感想
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- 文字数
- 4,152文字
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