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イナサ来いやれデンゴロリン

あらすじ
恐るべき村ぐるみの陰謀! 略奪! 殺人! そして証拠隠滅!
これこそが、貧困にあえいだ時代、日本沿岸部で頻繁に行われていた『瀬取り』の実態だった!
まさか廻船・福徳丸が、その罠に嵌ろうとは……!

時は江戸時代初期、寛永20(1643)年、大飢饉が日本各地に暗い影を落としていた晩秋のこと。
大坂を発ち、江戸へ生活物資を届ける福徳丸での船旅だった。ぶじ積み荷をおろし終え、その帰り道。

船旅は途中まで穏やかだったのに、突如としてイナサ(東南からの悪風)が吹き荒れ、大時化に揉まれる。
命からがら嵐を乗り切ったと思ったら、今度は一転ベタ凪となり、靄に包まれた。
ましてやどこからともなく琵琶の弾き語りが聞こえ出し、船頭である彦兵衛は心奪われ、船はあらぬ方角へと導かれる始末。

福徳丸が進むがまま身をゆだねていると、靄の向こうに救いの火を発見する。いくつもの炎が彼方に揺らいでいるのだ。
あれこそ人家がある陸にちがいない。そう信じて舳先を向けたのだが……。

そしてついに、船乗りたちは驚愕の真実を目撃する――伊良湖岬に広がる浜辺の光景を。そこはまさに地獄の漁場だったのだ。
さながら餓鬼じみた村人たちが、容赦なく難破船に群がり、積み荷を奪おうとする……。



※本作は夏のホラー2023企画作です。テーマは『帰り道』。
※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
※本作には現代の社会通念および人権問題に鑑みても、差別的、不適切な表現や語句が含まれております。
※参考文献 『日本残酷物語1 貧しき人々のむれ』宮本常一 平凡社ライブラリーその他
Nコード
N6880II
シリーズ
夏ホラー企画シリーズ
作者名
尾妻 和宥
キーワード
R15 残酷な描写あり シリアス 男主人公 職業もの 冒険 伝奇 史実 時代小説 天災 夏のホラー2023 江戸時代 人怖 理不尽な暴力 カーゴカルト 奇想天外 吉村昭
ジャンル
ホラー〔文芸〕
掲載日
2023年 07月31日 20時24分
最終掲載日
2023年 08月11日 19時00分
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