ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ヒラニヤ・ガルバヤーツ(黄金胎蔵神界)

あらすじ

『終わる…―――今日で私の命は、くしゃくしゃに丸まった紙屑の様に、風に飛ばされ消えていく――――…』

 身に覚えのない罪により、クラスメイトからいじめを受け追い詰められ疲れ果てた楠森薫は、ビルの屋上から身を投げるため柵の外に立っていた。
 覚悟を決め身を投げたその時、地面が大きく波打ち路面に追突するはずだった薫の体は地下に水没する。どこまでも落ちていく事に恐怖を感じた時、下方に光が見えそれは大きくなっていった。

 膜を突き抜ける感覚を覚えた時、下方にとてつもなく巨大な異形の“胎児”が見えてくる。目を閉じて眠る灰緑色の胎児の威容の傍を降下しながらこのまま眠っていてくれと薫が願ったその時、胎児の一つ目がうっすらと開きーーー中の四つの瞳孔がバラバラに蠢いて薫を凝視する。

 異音に気付くと、下方から胎児の何本も枝分かれした指が薫に迫ってくる。自身の顔に触れる胎児の感触にゾッとした時、薫の頭の中に何人もの赤ん坊の声を重ねた様な異様な笑い声が響く。
 指が薫の口の中へ入ろうとしたその時、轟音と共に薫の体は強烈な力で胎児から引き離され下方へと降下した。

 同時につんざいた胎児の絶叫が遠くなり、恐る恐る自分を抱えた正体を見て薫は驚愕する。
 灰紫色の装甲に全身を覆ったーーー体長数メートルの人型の異形が自分を抱え、はるか遠くに見える地上に向け高スピードで落下していたのだ。

 その事実に慌てふためく薫に異形が声を発した時、薫は信じられない思いで異形を振り返った。

 五〇〇年に一度起こる異界“ヒラニヤ・ガルバヤーツ”との融合ーーーー選定者(ブハヴァ・アグラ)となりヒラニヤ・ガルバヤーツの神に次の世界を願うーーーー薫の世界の人間のほとんどが屍鬼(ヴェーダラ)と化し魔神や魔族、魔獣や精霊などが闊歩する異界で、自らの生に絶望し終わらせようとした楠森薫は数多の出会いと別れを経験し、過酷な試練に苛まれつつ自らの生を問われる。
Nコード
N6530JR
作者名
赤嶺 龍
キーワード
R15 残酷な描写あり アニセカ小説大賞1 シリアス ダーク 女主人公 現代 異世界 魔神 魔族
ジャンル
ローファンタジー〔ファンタジー〕
掲載日
2024年 11月07日 19時51分
最新掲載日
2024年 11月20日 19時37分
感想
0件
レビュー
0件
ブックマーク登録
0件
総合評価
10pt
評価ポイント
10pt
感想受付
受け付ける
※ログイン必須
レビュー受付
受け付ける
※ログイン必須
誤字報告受付
受け付ける
※ログイン必須
開示設定
開示中
文字数
124,664文字
作品を読む
スマートフォンで読みたい方はQRコードから

同一作者の作品

N6497JR| 作品情報| 連載(全15エピソード) | 空想科学〔SF〕
 惑星クオンに落着した隕石群から発生した金属生命体“メテオラ”ーーーー惑星クオンの生物進化をなぞるように急激に模倣進化を果たし、爆発的に増殖。一方、メテオラが飛来する以前からこの惑星に存在する金属生命体“リディウス”ーー//
N6530JR| 作品情報| 連載(全16エピソード) | ローファンタジー〔ファンタジー〕
『終わる…―――今日で私の命は、くしゃくしゃに丸まった紙屑の様に、風に飛ばされ消えていく――――…』  身に覚えのない罪により、クラスメイトからいじめを受け追い詰められ疲れ果てた楠森薫は、ビルの屋上から身を投げるため//
N6509JR| 作品情報| 連載(全6エピソード) | 空想科学〔SF〕
“君を招待するよ。僕の創出したー――…君の魂を捕らえる、ゲージプラネットへ”  満島和晴、鷲見透子、林真理、高荒紫苑は四月下旬の麗らかな日、校門までの下り坂を和気あいあいと下校していた。すると突然男の声が響き渡り辺り//
N6522JR| 作品情報| 連載(全3エピソード) | 空想科学〔SF〕
 58年前、突如として襲来した高位次元生命体“イドラ”。  ありとあらゆる“生物・物”に憑依し、科学技術文明を破綻に追い込んだイドラに対抗した唯一の存在“サマナー”達は、人類の盾となる国際機関“ロンギヌス”を設立する。//
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ