- あらすじ
- 王宮の白い回廊を、私は二度と振り返らないと決めた。
背中に刺さる視線。ひそひそと追いかけてくる囁き。足音だけが、やけに大きく響いていた。
「リーゼル・フェルゼン。貴女に告げる」
玉座の間で、王太子エルヴィンの声は震えていなかった。
隣に立つ金髪の令嬢――ナディアが、慈しむような微笑みを浮かべていた。それが合図だったのだと、あの時の私にはわからなかった。
「婚約の破棄、および、王宮からの追放を命ずる」
息を吸う。吐く。手のひらの爪が食い込む感覚だけが、現実だった。
弁明の言葉は用意していた。けれど口を開く前に、衛兵が両脇に立った。制度は、こういうときだけ素早く動く。
門を出た瞬間、冷たい風が頬を打った。
振り返らない。泣かない。私はまだ、何も終わっていないと知っている。
――だから、ここから始める。
足元に落ちた影だけが、私についてきた。
そしてその影の中に、もうひとつ、見知らぬ影が重なっていることに、このときはまだ気づかなかった。
- Nコード
- N6124LW
- 作者名
- 渚月(なづき)
- キーワード
- 異世界転生 異世界転移 女主人公 西洋 ハッピーエンド 成り上がり 身分差
- ジャンル
- 異世界〔恋愛〕
- 掲載日
- 2026年 03月06日 23時21分
- 最終掲載日
- 2026年 03月06日 23時34分
- 感想
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- 総合評価
- 80pt
- 評価ポイント
- 64pt
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- 文字数
- 38,542文字
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追放された悪役令嬢は王宮の影から成り上がる
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