- あらすじ
- 「……部長」
「ん?」
朝のオフィス。始業してそう経っていない時間帯で、空調の音とキーボードの打鍵音だけが淡々と流れている。書類に目を通していたおれは、その呼びかけに顔を上げた。
デスクの前に立っていたのは部下の国石。両手を前で揃えて垂らし、背筋を伸ばしている。だが表情は妙に硬く、影を落としたように暗かった。
やらかしたな――そう直感したおれは柔らかい表情を作り、「どうした?」と優しい声で訊ねた。
そう、優しく穏やかに、だ。何を言われても怒らない。心の中でそう念じる。昨今はコンプライアンスだのハラスメントだのなんだの、部下の説教すら憚れる世情である。地雷原の中を歩かされるようなもので、まったく面倒だが時代なのだから仕方がない。
「……しばらく、会社を休もうと思います」
- Nコード
- N6065LS
- 作者名
- 雉白書屋
- キーワード
- キーワードが設定されていません
- ジャンル
- ヒューマンドラマ〔文芸〕
- 掲載日
- 2026年 02月07日 11時00分
- 感想
- 0件
- レビュー
- 0件
- ブックマーク登録
- 0件
- 総合評価
- 0pt
- 評価ポイント
- 0pt
- 感想受付
- 受け付ける
- レビュー受付
- 受け付ける
※ログイン必須 - 誤字報告受付
- 受け付ける
※ログイン必須 - 開示設定
- 開示中
- 文字数
- 2,022文字
設定
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
お答えできません :約2000文字
作品を読む
スマートフォンで読みたい方はQRコードから
同一作者の作品
N2441LT|
作品情報|
短編|
空想科学〔SF〕
「――つまり、頭に装着したパッドからごく微弱な電流を流すことで、消したい記憶だけを選択的に消去することができるのです」
とあるビルの一室。白衣を着た男はそう言うと、ゆっくりと振り返った。
白い壁と天井に囲まれた無機//
N2438LT|
作品情報|
短編|
ヒューマンドラマ〔文芸〕
とある昼下がりの電車内。乗客の数はそこそこ。大半は座席に腰を下ろし、スマートフォンの画面を指でなぞったり、目を閉じたりしている。窓から差し込む柔らかな陽光が床に光の図形を落とし、車体は一定のリズムで揺れていた。レールを//
N6070LS|
作品情報|
短編|
ヒューマンドラマ〔文芸〕
――来たよ!
――しっ、静かに。
――マジなのかな……。
「ん?」
おれは思わずぽつりと声を漏らした。朝、オフィスに足を踏み入れたその瞬間だった。ざわついていたはずのフロアが潮が引くように静まり返り、同僚たち//
N6065LS|
作品情報|
短編|
ヒューマンドラマ〔文芸〕
「……部長」
「ん?」
朝のオフィス。始業してそう経っていない時間帯で、空調の音とキーボードの打鍵音だけが淡々と流れている。書類に目を通していたおれは、その呼びかけに顔を上げた。
デスクの前に立っていたのは部下の//
N6061LS|
作品情報|
短編|
ヒューマンドラマ〔文芸〕
夜、とある国の田舎。その一軒家にて――。
「おー! よく来たねえ。遠いところから、いやあ、ようこそようこそ。こっちが私のワイフで、それから二人の息子だ。大きいほうがティム。ちっこいのがピーターだ」
「いらっしゃい。う//
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。