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人生シミュレーション

短編
あらすじ
「おじいちゃん、聴こえる? ねえねえ」
「ふふふっ、聴こえてるよ。きっとね……」
「疲れてるみたいだ。もう休ませてやろう」

「あたしたち、明日また来るからね!」
「そうね、また明日来ようね……」
「そうだな……じゃあね、父さん……」

 ああ、また明日……。そう声に出せないおれは、届いてくれと願いながら心の中でそう念じた。孫の元気いっぱいな声と息子夫婦の優しい話し声が遠ざかっていく。
 やがて、「ご臨終です」「お疲れさまでした」と、そう聴こえた気がした。
 瞼の向こうに感じていた病室の蛍光灯の光が徐々に暗くなり、そして完全な暗闇になると、過去の自分が映像となって浮かび上がった。それは、物心ついた辺りから始まり、青年期、成人期、壮年期、老年期、そして最後、【fin】の文字が浮かび上がると、再び目の前は明るくなり……。

「お疲れさまでした」

Nコード
N5424JH
作者名
雉白書屋
キーワード
キーワードが設定されていません
ジャンル
空想科学〔SF〕
掲載日
2024年 07月27日 11時00分
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