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青い海

短編
あらすじ
帝国の北方、首都から遠く離れた寒村。
帳簿係の「私」は、海の実情調査を命じられ、青白く光る海辺の村を訪れる。
そこでは、毎年のように人が「波の底から呼ばれ」、舟で沖に出て二度と戻らないという。

海は魔法と化学の廃液で汚され、魚は消え、海底には奇怪な呪紋が刻まれていた。
浜辺で青い貝殻を拾う子供たち、網を引き続ける漁師、恐怖を口にしない女たち——
皆が黙って、恐ろしい何かと共に生きている。

やがて私は夜の浜で見た。
波の底から無数の青い手がこちらに伸び、海がまるで呼びかけるかのように囁いていたことを。

それは文明の光がもたらした、滅びの影であった。
しかし、それでも人々は海と向き合い、網を手放すことはしなかった。

——外縁の海で、私は知った。
呪われた波の底には、人が忘れようとしたものが、いまも確かに蠢いていることを。
Nコード
N5363KU
作者名
イチジク
キーワード
夏のホラー2025 ダーク 近代 魔法 日常 怪談 ホラー 異世界
ジャンル
ハイファンタジー〔ファンタジー〕
掲載日
2025年 07月21日 17時59分
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