ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

情報を食べる

短編
あらすじ
「今宵のお客様にまずお召し上がりいただくオードブルは、四人のアメリカ大統領に仕えた料理人、クリスティーナ・レッドフォードによる――」

 この夜、まるで洞窟の中のような雰囲気が漂う薄暗いこの室内で、特別な会食が開催されていた。場所も時間も不定期、会員制のこの食事会では、世界中の名だたるシェフたちの料理を堪能できるという話なのだが……。

「お次はスープ。こちらはフランス大統領直属の――」
「ポワソン。ミシュラン三ツ星の――」
「ソルベ。イギリス女王が愛した――」
「メインデッシュ。こちらはあの伝説の――」

 と、タキシードを着た主催者の男が仰々しくその名を口にして料理を紹介するたびに、客たちは感嘆の声を上げる。

「まあ、これがあの名シェフの料理なのね」
「うふふ、口いっぱいに広がるわぁ」
「ああ、最高だぁ」
「ほんと、おいしい」
「うん、間違いない。いやぁ、実際に彼の料理を食べたことあるけどねぇ、よく再現されているよ」
「ああ、彼が死んだときはまた惜しい人を亡くしたものだと落胆していたが、ああ、うまい」
「うふふ、神様は贅沢ね。彼らの料理を天国で堪能できるんですもの」
「まったくだ! はははははっ!」
Nコード
N4347JJ
作者名
雉白書屋
キーワード
キーワードが設定されていません
ジャンル
空想科学〔SF〕
掲載日
2024年 08月13日 11時00分
感想
0件
レビュー
0件
ブックマーク登録
0件
総合評価
10pt
評価ポイント
10pt
感想受付
受け付ける
レビュー受付
受け付ける
※ログイン必須
誤字報告受付
受け付ける
※ログイン必須
開示設定
開示中
文字数
2,183文字
作品を読む
スマートフォンで読みたい方はQRコードから

同一作者の作品

N1311LC| 作品情報| 短編| その他〔その他〕
「これは、ペンです」  とある教室。壁も床も天井も白く、漂白されたような清潔感が漂う無機質な空間。その中央で、教師が黒板の前に立ち、一本のペンを高々と掲げてみせた。真剣な眼差しでそれを見つめる生徒たち。教室の奥には数人//
N6495LB| 作品情報| 短編| ヒューマンドラマ〔文芸〕
「時空警察だ!」 「は……?」  おれは思わず声を漏らした。休日の午後。昼食を終えてソファに沈み込み、ひと息ついたその瞬間だった。突如としておれの目の前に、黒ずくめの男たちが現れたのだ。重厚な制服は、警察とも軍服とも//
N3332LB| 作品情報| 短編| ヒューマンドラマ〔文芸〕
 とある夜、寝静まった街に二つの靴音が響く。片方が止まれば、もう片方も止まる。速まれば、もう片方も同じように速まる。乾いた音がアスファルトを叩き、じわじわと距離を詰めていく。やがて薄暗い路地裏でその靴音は重なり、ぴたりと//
N3316LB| 作品情報| 短編| ヒューマンドラマ〔文芸〕
「ん? キチガイ……?」  夕暮れ時、仕事帰りの道を歩いていたおれは、ふとした思いつきで、いつもとは違う曲がり角を曲がった。この町には最近引っ越してきたのだ。まだ知らない道も多い。もしかしたら近道かもしれない――そんな//
N3308LB| 作品情報| 短編| ヒューマンドラマ〔文芸〕
「えっ!? は? い、いらっしゃいませー……」  おれはぎょっとした。  深夜のコンビニバイト中、レジで突っ立ってぼんやりしていたら、突然、メロスが自動ドアをぶち破って入ってきたのだ。  砕け散ったガラス片が床にパラパ//
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ