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東京ドーム通い

短編
あらすじ
 ――ビビーッ! ビー! ビー!

「え、あれ、おかしいなぁ、あはは、すみません、ちょっと行ってきますね……」

 朝。改札機に通行証をかざしたのだが、エラーが出てしまい、おれは後ろに並ぶ人に軽く頭を下げて列から離れた。守衛のもとに向かい、声をかける。
 
「あ、あの」

「はい? なに?」

「あ、改札機が不調みたいで通れなくて……あそこのですけど」

「え? 問題なく使えているみたいですけど」

「え、あれ、本当だ……あ、ははは……」

「はぁ……。ああ、そういえばさっき、あの辺りで暴れた馬鹿がいましてね、そのせいかなぁ」

「暴れた馬鹿……?」

「そそ、デモですよ。まったく……はーあ。ほら、見せて」

「あ、す、すみません……お手数をおかけして……」

「ああ、いえ。今のため息は、ひとりでデモをやっている馬鹿に対してですよ。ま、どうでもいいですけどね。では通行証を拝見……はいはい、どうぞここから通っていいですよ。十八時までに退去をお願いしますね」

「あ、はい……どうも」

「よっ」

「うおっ」

 改札機を通り、通行証をポケットにしまったタイミングで後ろから声をかけられ、おれは驚いた。振り返ると、そこにいたのは同僚の山本だった。奴はニヤニヤ笑いながら「なんか怒られてたなぁ。馬鹿とかさぁ」と言った。
Nコード
N4262JB
作者名
雉白書屋
キーワード
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ジャンル
宇宙〔SF〕
掲載日
2024年 05月31日 11時00分
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