- あらすじ
- 夏の体育館は、暗くしても熱が消えない。
演劇部・夏公演『八月の残響』。男子ふたりが恋人役を演じる。台詞にある「好き」は、稽古のための“合図”で、嘘で、練習用の鍵。
成瀬は笑って言う。「嘘くらい上手にやるよ」。相模は眉を上げるだけで、「嘘は稽古の燃料だよ」と返した。
舞台袖の匂い、照明の埃、板の軋み。何度も言い合う「好き」は、やがて重さを変え、気づけば喉に引っかかる。稽古だから触れる、稽古だから見つめる、稽古だから心拍を揃える――そう言い聞かせれば言い聞かせるほど、成瀬は台詞の軽さを失っていく。
相模は気づいているのかいないのか。合図の握手は毎回同じ強さなのに、終わったあとだけ指先が遅れて離れる。
本番前日、ふたりは台本の一行「好きだ」をめぐって衝突する。成瀬は“ほんとう”に寄りそうとし、相模は“役”に後退する。
迎えた本番。―。
成瀬 湊(なるせ・みなと):2年。軽口で場を回す主演タイプ。嘘は得意だと思っていた。
相模 陽(さがみ・はる):2年。台詞を丁寧に積む実直派。嘘を嫌わないが、嘘の熱を怖れている。
顧問・橘:現実的な采配。舞台は“約束の場所”だと教える。
一年・桐野:小道具。二人を観察している目。 - Nコード
- N4176LE
- 作者名
- 妙原奇天
- キーワード
- ボーイズラブ ESN大賞9 秋の文芸展2025 青春 友情 演劇部 男子高校生 成長 恋と友情のあいだ 文化祭 夏 本番と稽古 嘘
- ジャンル
- 純文学〔文芸〕
- 掲載日
- 2025年 10月07日 16時18分
- 最終掲載日
- 2025年 10月07日 16時18分
- 感想
- 0件
- レビュー
- 0件
- ブックマーク登録
- 0件
- 総合評価
- 6pt
- 評価ポイント
- 6pt
- 感想受付
- 受け付ける
※ログイン必須 - レビュー受付
- 受け付ける
※ログイン必須 - 誤字報告受付
- 受け付ける
※ログイン必須 - 開示設定
- 開示中
- 文字数
- 4,510文字
設定
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【秋の文芸展2025】嘘を分け合った夏
作品を読む
スマートフォンで読みたい方はQRコードから
同一作者の作品
N8565LL|
作品情報|
連載(全32エピソード)
|
ハイファンタジー〔ファンタジー〕
名を持たぬ少年が、名を奪われた世界で剣を振るう。
――これは“誰のものでもない魂”の物語。
❄❄❄❄❄❄❄❄❄❄❄❄
雪の降る朝、名もなき少年は“剣”だけを抱いて門の前に立っていた。
過去はない。名もない。感情すら、//
N5299LO|
作品情報|
短編|
空想科学〔SF〕
人の人生の「最後の一文」を自動で生成する装置が開発された。
それは死亡時刻でも、死因でもない。
その人の人生を締めくくる、たった一文だけを書き出す機械だった。
事故か、老衰か、事件か。
何が起きるかは分からない。
ただ//
N9803LN|
作品情報|
完結済(全18エピソード)
|
ローファンタジー〔ファンタジー〕
世界は、すでに三度滅んでいる。
――それを覚えているのは、俺だけだ。
学園が消え、都市が焼け、最後に残るのは――彼女の笑顔。
どの終わり方でも、俺は生き残り、同じ朝に戻される。
焼けた匂い、遅れる音、ノイズ混じりの校内//
N1799LO|
作品情報|
短編|
ホラー〔文芸〕
深夜、スマホに届いた奇妙な広告。「ギフト:明日のあなたを一時間だけ先に受け取れます」。冗談だと思って注文すると、玄関に“冷たい箱”が届く。伝票には、宛名も差出人もない。あるのは一行だけ――「返品不可、ただし命は例外」。//
N1798LO|
作品情報|
短編|
純文学〔文芸〕
毎年、同じ日にだけ開く小さな公園のベンチ。そこに座る二人には、たった一つの約束がある――「合い言葉を言えた方だけが、来年もここへ来られる」。
理由はわからない。誰が決めたのかも、いつから続いているのかも。ただ、木枯ら//
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。