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鹿の恩返し

短編
あらすじ
 「お前のような生意気な奴と、結婚なんてしない。聖女なんて言うのも、まやかしだろう。よって、婚約は破棄させて貰う!」

そう叫ぶ王太子ミルツカーナは、態々執務をしている婚約者の所へ来て、指を差して叫んだ。周りの文官達はオロオロするばかりだ。

「急にどうしたのですか、王子。夏負けですか?」
突然の爆弾発言に、思わず心配して声をかけた。

「何て呑気なことを! お前は用済みだと言ったのだ。解ったか?」
何だか怒られてしまったわ。
でもそんなことを、勝手に決めて、国王に怒られないのかな?
愛だの恋だのはないけれど、情だけはあったのに。
やっぱり、あの噂は本物だったのかな?
真実の愛と言うやつ。
好きな人出来たのか、年頃だもんな。

私は別に、構わないのだけどなぁ。
側室でも愛妾でも、好きにしたら良い。
子供もその人と作ったら良いのにと、一瞬思った。

でも、出て行けと言われたなら、出て行くよ。
まあ、邪魔物は居ない方が良いわよね。


「承りましたわ、殿下。今までお世話になりました。
どうぞ、お幸せに」

綺麗なカーテシーをして王宮を去る私は、ラズモアナ・ギルイワン侯爵令嬢。

ギルイワン侯爵家の長女だ。
王太子との婚約は、幼い時に決定していた。
なので歴で言うと、13年目。
16才になる来年に、結婚が決まっていた。
Nコード
N4097JH
作者名
ねこまんまときみどりのことり
キーワード
王太子 婚約者 侯爵令嬢 婚約破棄 恩返し 鹿
ジャンル
童話〔その他〕
掲載日
2024年 07月17日 21時33分
最終更新日
2025年 08月05日 22時03分
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評価ポイント
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文字数
4,692文字
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