ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

君に待つ花言葉

あらすじ
 いつからだろうか。僕が生きるふりをする、つまらない枯れた人間のようになってしまったのは。
 何を見ても面白いと感じず、楽しいということも年月が経つにつれて減っていってしまった。
 遠い昔の記憶はほとんどない。児童センターで記憶を無くした日から、僕は抜け殻のようになってしまったと母は言う。
 小学校低学年の頃、父は僕の記憶を追うように亡くなった。脳出血だった。
 時間が経ったとはいえ、幼い頃に多くのものを失った僕には、生きる方向を見失うほどの出来事だったのだ。
 僕は花になりたい。そよ風に吹かれ、美しい姿を持って人気のない場所で枯れて消えたい。
 月に憧れた日もあった。何もせずとも、世闇の中で光を放つだけで誰かに見てもらえる。
 僕は一生こんな人生なのだろうか。いいや、きっとそうなのだろう。
 消えてしまった幼少期の記憶は、幸いにも少しだけなら残っていた。だが、とても大切な何かが失われてしまった。とても大切だったと思う。
 ただ僕の心の中には、そんな薄っぺらな感情だけが根強く残っていたのだ。
 きっと来世でもこんな気持ちで僕は生まれ落ちるのだろうと、枯れた薔薇のように自分を悔やんだ。


※重複投稿
Nコード
N3992HT
作者名
夜月 真
キーワード
年の差 悲恋 日常 青春 コーヒー 人外 高校生 恋愛 現代 男主人公 ハッピーエンド 伏線
ジャンル
現実世界〔恋愛〕
掲載日
2022年 07月27日 22時34分
最終掲載日
2022年 08月07日 14時01分
感想
0件
レビュー
0件
ブックマーク登録
3件
総合評価
16pt
評価ポイント
10pt
感想受付
受け付ける
レビュー受付
受け付ける
※ログイン必須
誤字報告受付
受け付ける
※ログイン必須
開示設定
開示中
文字数
100,209文字
作品を読む
スマートフォンで読みたい方はQRコードから

同一作者の作品

N2989ID| 作品情報| 完結済(全61エピソード) | 現実世界〔恋愛〕
「なあ、アルビノって知ってる?」 「あー、身体が真っ白なんだっけ?」 「そうそう、最近この辺にアルビノがいるらしいぜ」 「何のアルビノ?」 「それが、わからないんだよ。噂で広まっただけだからそこまでは確認できてないんだ。//
N8755HV| 作品情報| 完結済(全16エピソード) | 現実世界〔恋愛〕
 あの時、橋に身を投げ捨てて死んでいたら、きっと今もこんなことで泣くこともなかっただろうな。  明日のクリスマス前日に、私は思い出して貰えなかったら……。そんなことばかりを考え、今日も一人、部屋の中から沈んだような月を眺//
N3992HT| 作品情報| 完結済(全15エピソード) | 現実世界〔恋愛〕
 いつからだろうか。僕が生きるふりをする、つまらない枯れた人間のようになってしまったのは。  何を見ても面白いと感じず、楽しいということも年月が経つにつれて減っていってしまった。  遠い昔の記憶はほとんどない。児童センタ//
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ