- あらすじ
- 売れない小説家の「私」は、駅前の喫煙所で“言葉の回収屋”を名乗る男に出会う。男は、人が削除したり捨てたりした言葉は街の隙間に落ち、放置すれば他人の口に入り「自分の言葉」として定着してしまうのだと言う。男が差し出した紙片には、確かに私が消したはずの一文が残っていた。
締切前夜、私は自作の文章が薄く感じられ、消した一行だけが異様に生々しく光って見える。翌朝、回収屋に「自分の言葉を全部返してくれ」と迫ると、鞄の中には私の筆跡の紙片が大量に詰まっていた。しかしその多くは、書いた覚えのない文ばかりだった。回収屋は「あなたがそれを“自分のものではない”と判断したから忘れたのだ」と告げ、さらに「あなたの言葉は、あなたが痛いと感じるところに生まれる」と示す。
私は上手い下手の採点をやめ、“痛い言葉”だけを選び直す。傷の順番を並べ替えるようにして物語を組み立て、ついに『回収』という短編を書き上げる。それは「読まれないと困る」と言われるほどの切実さを帯びるが、同時に私に、言葉を拾い直し続ける覚悟を突きつける――自分の痛みと引き換えに、自分の言葉を取り戻す物語。 - Nコード
- N3887LU
- 作者名
- さざなみ
- キーワード
- 現代 職業もの 私小説 言葉 言葉の屑拾い 創作
- ジャンル
- 純文学〔文芸〕
- 掲載日
- 2026年 02月16日 14時57分
- 最終更新日
- 2026年 02月16日 14時58分
- 感想
- 0件
- レビュー
- 0件
- ブックマーク登録
- 0件
- 総合評価
- 10pt
- 評価ポイント
- 10pt
- 感想受付
- 受け付ける
- レビュー受付
- 受け付ける
※ログイン必須 - 誤字報告受付
- 受け付ける
※ログイン必須 - 開示設定
- 開示中
- 文字数
- 3,336文字
設定
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『言葉の屑拾い』
作品を読む
スマートフォンで読みたい方はQRコードから
同一作者の作品
N3049LU|
作品情報|
連載(全6エピソード)
|
ローファンタジー〔ファンタジー〕
禁書として転生した“俺”は、本文(運命)を書き換えられない。できるのは、余白に一文だけ――「補足」を置くこと。世界はその補足を矛盾なく成立させるが、そのたびに俺は記憶を失っていく。
禁書を拾った少女ミラは、文字が読める//
N3887LU|
作品情報|
短編|
純文学〔文芸〕
売れない小説家の「私」は、駅前の喫煙所で“言葉の回収屋”を名乗る男に出会う。男は、人が削除したり捨てたりした言葉は街の隙間に落ち、放置すれば他人の口に入り「自分の言葉」として定着してしまうのだと言う。男が差し出した紙片に//
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。