ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

夜の外来

あらすじ
病棟実習が始まった秋、蒼は附属病院の内科病棟に配属される。担当患者の一人に、身元がはっきりしない五十代の男性がいた。名前は「川瀬」。住所も保険証もなく、救急搬送されてきた低体温症の患者だった。
ホームレス状態にあるとわかると、病棟の空気が変わった。早期退院を促す声が上がり、ソーシャルワーカーの介入も形式的なものに終わった。指導医は「これ以上できることはない」と言った。
文乃が川瀬と話し込むようになった。川瀬は寡黙だったが、医療について妙に詳しかった。ある日、文乃は川瀬が夜中にこっそり病院を抜け出していることに気づく。
尾けた先は、旧市街の路地裏——桐山診療所の裏手にある、小さな空き倉庫だった。
そこでは週に二度、夜間だけ「診察」が行われていた。保険証のない外国人労働者、ホームレスの老人、生活保護を恥じて病院に来られない人たち。川瀬はそこで「患者の案内役」を長年務めていた。そして診察を行っていたのは、橘道夫の紹介で繋がった、桐山義雄だった。
医師免許はある。しかし施設の届け出はない。医療法上のグレーゾーン、あるいはアウト。
蒼たちは引き裂かれる。この「夜の外来」は確かに必要とされている。しかし法的に守られていないまま続ければ、桐山が処分を受ける。告発すれば、行き場のない患者たちが路頭に迷う。かといって黙認すれば、自分たちも共犯に近い立場になる。
三上は「正式な手続きで制度を変えるべきだ」と言う。文乃は「今夜、凍えている人間を前にして、制度の話をするのか」と言う。葵は「これは記録されないまま終わっていいのか」と問う。
そして川瀬は、かつて医師だったという事実が少しずつ見えてくる——医療事故で免許を失い、患者への罪悪感から、ずっとここで「患者の側」にいた男だった。
Nコード
N3723LY
作者名
如月蒼丈
キーワード
シリアス ダーク 男主人公 和風 平成 現代 日常 青春 私小説 ミステリー 探偵小説
ジャンル
推理〔文芸〕
掲載日
2026年 03月21日 16時00分
最終掲載日
2026年 03月21日 16時15分
感想
0件
レビュー
0件
ブックマーク登録
0件
総合評価
0pt
評価ポイント
0pt
感想受付
受け付ける
※ログイン必須
レビュー受付
受け付ける
※ログイン必須
誤字報告受付
受け付ける
※ログイン必須
開示設定
開示中
文字数
12,421文字
作品を読む
スマートフォンで読みたい方はQRコードから

同一作者の作品

N3723LY| 作品情報| 完結済(全11エピソード) | 推理〔文芸〕
病棟実習が始まった秋、蒼は附属病院の内科病棟に配属される。担当患者の一人に、身元がはっきりしない五十代の男性がいた。名前は「川瀬」。住所も保険証もなく、救急搬送されてきた低体温症の患者だった。 ホームレス状態にあるとわか//
N0912LY| 作品情報| 完結済(全10エピソード) | 推理〔文芸〕
医学部4年の神田蒼は、臨床実習が始まる前の夏、学費の足しにと旧市街にある小さな診療所でアルバイトを始める。そこで毎週決まった曜日に現れる老人・橘道夫と出会う。 橘は診察を受けるわけでもなく、ただ待合室に座って古い医学書を//
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ