ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

スピード死刑        :約5000文字

短編
あらすじ
「被告人――は、死刑に処す」

 ――だろうな。

 男はふんと鼻で笑った。
 とある法廷。重く張りつめた空気の中、裁判官の声だけが冷たく響く。
 複数の殺人の罪に問われた男は、証言台の前に立ち、その宣告を受け止めていた。
 死刑――確かに、重い響きだ。だが、わかりきっていたことだから驚きはしない。何人も殺し、奪い、犯してきたのだから、むしろそうならないほうが不思議なくらいだ。
 もちろん命は惜しい。だが、判決が覆るはずもないだろう。国選弁護人は形ばかりの弁論を読み上げ、情状酌量の余地を並べ立てはしたが、そこに熱はなかった。まるで作業工程をなぞっているみたいに。
 ま、残された時間で手記でも書いてみるか。“楽しい思い出”もいくつかあるしな。
 男はぼんやりとそんなことを考え、ほくそ笑んだ。

「執行日は明日とする。以上」

「……ふぇえ?」
Nコード
N3469LV
作者名
雉白書屋
キーワード
キーワードが設定されていません
ジャンル
ヒューマンドラマ〔文芸〕
掲載日
2026年 03月01日 11時00分
感想
0件
レビュー
0件
ブックマーク登録
0件
総合評価
0pt
評価ポイント
0pt
感想受付
受け付ける
レビュー受付
受け付ける
※ログイン必須
誤字報告受付
受け付ける
※ログイン必須
開示設定
開示中
文字数
5,156文字
作品を読む
スマートフォンで読みたい方はQRコードから

同一作者の作品

N7198LW| 作品情報| 短編| ヒューマンドラマ〔文芸〕
「えっ、おれ……?」  おれは思わず声を漏らした。いったい、これはどういうことなんだ……。  バイトの夜勤明けで、頭がぼんやりしたまま駅前を歩いていた。スーパーに寄って、適当に弁当でも買って帰るか――そう思ったそのとき//
N7194LW| 作品情報| 短編| ヒューマンドラマ〔文芸〕
「……ん…………うおっ」  夜、とあるアパートの一室。ふいに目を覚ました彼は、錆を落とすようにまばたきを繰り返した。現実と夢の境目はまだ曖昧で、視界は水の中にあるみたいに霞んでいる。干しっぱなしのシャツに棚。ぼやけた像//
N3248LW| 作品情報| 短編| ヒューマンドラマ〔文芸〕
「はいはい……えっ、どなたですか」  やたらエアコンの効きの悪い中、部屋でぼんやりテレビを眺めて過ごしていたところに、突然インターホンが鳴り響いた。おれは団扇をあおぎながら、のそのそと立ち上がり、だるい足取りで玄関へ向//
N3246LW| 作品情報| 短編| ヒューマンドラマ〔文芸〕
 ……どうやらおれは昏睡状態にあるらしい。  というのも、ここは夢の中なのだが、どれだけ時間が経っても一向に目が覚めないのだ。  むろん、夢の中に正確な時間の物差しなど存在しない。朝も昼も夜も、気分一つで唐突に入れ替わる//
N3242LW| 作品情報| 短編| ヒューマンドラマ〔文芸〕
「鈴木くん、鈴木くん……鈴木くん、ちょっと」 「はい」  鈴木が部長に呼ばれて席を立った。やれやれ、またか――おれは眉を指で掻き、視線だけをそちらへ滑らせた。  あの鈴木という新人は、ここ最近どうも遅刻が目立ち、つい//
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ