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血い硝子

短編
あらすじ
排他的な再開発都市の片隅で、
少年と少女は番号で呼ばれながら働いている。

危険な現場、削られる賃金、
いなくなってもすぐ埋まる空白。

それでも二人は、小さな約束を持っていた。
いつか郊外に部屋を借り、
白いカーテンのある窓辺で名前を呼び合うこと。

少女は解体現場で拾った硝子片を宝物にする。
花弁の形をした透明な破片。
光にかざすと、かすかに赤く滲む。

それは、割れる前から傷を抱えた硝子。

ある日、工程の圧縮により二人は高所作業へ回される。
風の強い足場の上、揺れる資材。

ほんの小さな軋みが、すべてを崩す。

事故は一瞬で終わる。
ニュースにもならない。
名簿の数字が二つ入れ替わるだけ。

遠くの高層ビルは完成し、
白いカーテンが整然と並ぶ。

硝子は今日も光っている。

二人の夢も、体温も、
都市のどこにも残らない。

ただ、あの硝子片だけが、
乾いた赤を縁に残したまま、
誰にも拾われずに落ちている。
Nコード
N3355LV
作者名
砂肝
キーワード
残酷な描写あり 
ジャンル
その他〔その他〕
掲載日
2026年 02月24日 01時58分
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文字数
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