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砲声夜話

短編
あらすじ
1944年、南方戦線で両津、柳田、日比野の日本帝国陸軍の三兵士はタコツボ塹壕の中で迫りくるアメリカ軍上陸におびえていた。
 この日、夜半になり敵の艦砲射撃は激しさを増す一方だ。遅くとも明け方までには上陸してくるにちがいない。降りしきる砲弾の中、タコツボにくぎ付けになったこの三人は恐怖を紛らわすためにあろうことか百物語を始める。兵士らしい武骨な肝試しのつもりだった。
 ロウソクを百本ともして怪談を終えるごとに一本ずつ消してゆき、最後の百本目が消えたときに魑魅魍魎のたぐいが出現する。そんな百物語だ。
 それぞれとっておきの怪奇な話が続くが、まだ十もすまないうちに怪異は現れた。
 四人目の兵士が現れたのだ。しかも彼はフランス軍兵士で何十年も前のヨーロッパから来たという。日本軍兵士は太平洋戦争末期を戦っているというのに、彼は普仏戦争を戦っているという。
 しかしやがて真相は明らかになった。幽霊は四人目の兵士ではなく、三人の日本兵のほうだったのだ。彼らは敵の容赦ない砲撃でとっくに落命していたのに自分たちの死を認めたくないがゆえに百物語などで現実逃避していた。
 そうわかったとたんに三人は消え、フランス兵は自分の戦場のタコツボに帰っていた。
 味方兵士に救出されたそのフランス軍兵士は悟る。この戦場のタコツボというやつは、戦争というものとともに我々に未来永劫ついてまわるものなのだということを。
Nコード
N2730FQ
作者名
一の瀬光
キーワード
ミステリー サスペンス 怪談 サイコホラー タイムマシン ダーク 男主人公 人外 和風 西洋 近代 バッドエンド パラレルワールド タイムリープ
ジャンル
ホラー〔文芸〕
掲載日
2019年 07月18日 21時30分
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文字数
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