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白い羽根が舞い散る日

あらすじ
「……ティアーっっ!!」

 ――ああ、こんな様々な声が行き交う中で、君の声が聞こえる。
 白い髪と、背中に体を覆ってしまえるような大きな白い翼、ハッとするような純白の色を持つ、鳥人族(ちょうじんぞく)と呼ばれる人種族の君。
 誰かが言ったっけ、君の瞳は白じゃなくて暖かな日の光の色だって。

 半面、僕は何かしらの特徴を姿に持たない人間と呼ばれる者。

 強いて言うなら、僕はこの種族の中で、唯一漆黒を持つ人間だという事だろうか。
 人の中で、黒の一族と呼ばれ、恐れられる存在。
 この世界で、ネア大陸と呼ばれるこの地で、たった一人しか存在を許されない、そんな人間が僕だ。
 人間は外見にはっきりした特徴を持たないかわりに、不思議な現象を起こせる力を内に秘めている。
 黒の一族の僕は髪に漆黒を、内に秘める力は誰より強く、様々なすべを持つ。
 そんな現象を目にして、君は幼子のようにはしゃいではすごいすごいと喜んでくれたっけ。
 なら、僕の最期のお願いも聞いてほしい。

「ユキシロ、ごめんね。……さよなら」

 別れを告げる事を、どうか許してね。
 いつも笑ってた君が好きだった。笑って、周りを明るくさせてしまうユキシロが大好きだった。
 幸せなんて、そんな名の付くモノ、数えるほどしかなかった僕の生で、君といる時間はいつも記憶の中で宝石のようにキラキラ輝いてた。
 この記憶ごと、僕自身ごと、流れ出る紅の色と一緒に砕くから。

 ――そうして最後に残るのは、何だったろうか。
Nコード
N2500JR
作者名
弓月六花
キーワード
R15 残酷な描写あり シリアス ほのぼの ダーク 魔法 日常 人間が少ない世界 雲に覆われる険しい山 黒の一族 鳥人族 壁に覆われる人間の国
ジャンル
ハイファンタジー〔ファンタジー〕
掲載日
2024年 10月22日 13時39分
最新掲載日
2024年 10月30日 18時00分
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文字数
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N2500JR| 作品情報| 連載(全10エピソード) | ハイファンタジー〔ファンタジー〕
「……ティアーっっ!!」  ――ああ、こんな様々な声が行き交う中で、君の声が聞こえる。  白い髪と、背中に体を覆ってしまえるような大きな白い翼、ハッとするような純白の色を持つ、鳥人族(ちょうじんぞく)と呼ばれる人種族の//
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