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雪の肌

短編
あらすじ
 むかしむかし、ある雪の夜。とある山付近の、かやぶき屋根の小さな家。
 そこに住む一人の男。宗兵衛は真っ赤な顔をして己の陰茎をただひたすらにしごき続けていた。
 額に汗をにじませ、まるで木と木とこすり合わせて火を起こそうとしているかのように、随分とまた必死に手の皮陰茎の皮。肉と肉を擦り合わせ、せっせとしゅっしゅと自己研磨。見開いた目は血走り、歯茎を剥き出しにし、囲炉裏の火が揺れ影が退いてはまた戻り、ものの怪のような様。
 そう、この家には、ものの怪がいる。むろん、それは宗兵衛のことではない。
 あの女だ。宗兵衛がしきりにチラチラと目を向けるあの女こそが妖怪である。そのことは宗兵衛自身も気づいていた。
Nコード
N2447IP
作者名
雉白書屋
キーワード
ショートショート
ジャンル
ヒューマンドラマ〔文芸〕
掲載日
2024年 01月25日 11時00分
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