- あらすじ
- 祖父の葬儀のため、山深い故郷の村を訪れた寿市は、雨の夜、山の稜線を怪しく走る「狐火」の列を目撃する。
「狐火が遠くに見える時は、狐は既に足元にいる」という祖父の遺言をよそに、その美しさに魅了された寿市は、カメラを手に山道へと分け入る。そこで彼は、狐化粧を施した不気味な男女の行列と、その最後尾を歩く白無垢姿の花嫁に遭遇し、一時的に意識を失う。
翌朝、泥まみれで発見された寿市が、昨夜撮影したカメラの画像を確認すると、そこには火の玉ではなく、自分を包囲する数千の赤い眼と、寿市の肩越しにレンズを覗き込む花嫁の白い袖が写り込んでいた。
恐怖に震える彼の前に、村の忌み者である老人・骸斎(むくろじ)が現れる。老人は、あの行列は生贄となった娘たちの成れの果てであり、魂を抜かれぬためには拳を固く握り、狐の鳴き真似をして人間であることを隠し続けねばならないと説く。
しかし、その教えさえも狐の仕掛けた罠であった。寿市が必死に拳を握りしめている間に、彼の人間としての魂は窒息し、肉体は急速に異形へと変質していく。
やがて再び雨が降る夜、寿市は自ら漆黒の紋付袴を纏い、「狐の花婿」として行列の最後尾に立つ。
かつて人間であったものたちの鳴き声に包まれながら、寿市は新たな犠牲者を求めて、音もなく闇の向こうへと消えていくのだった。
- Nコード
- N2375LN
- 作者名
- 沢 一人
- キーワード
- 異世界転移 二次創作 ドリコム大賞4 123大賞7 なろうラジオ大賞7 第2回ルフナ大賞 OVL大賞11 ネトコン14 ダーク 男主人公 和風 現代 パラレルワールド
- ジャンル
- ホラー〔文芸〕
- 掲載日
- 2025年 12月19日 16時03分
- 最終更新日
- 2026年 01月10日 22時00分
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怪談: 狐の燈火(きつねのともしび)
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「狐火が遠くに見える時は、狐は既に足元にいる」という祖父の遺言をよそに、その美しさに魅了された寿市は、カメラを手に山道//
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