ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

寝言

短編
あらすじ
 とある夜、駅舎から出た男は足を止め、ぐるりと周囲を見渡した。そして、スーツの袖を軽く押し上げ、腕時計に目を落とす。

 五時二分……あと三分か。
 いや、おれは何やってんだろうな。こんなことで早引けしてくるなんて。しかも課長に嫌味まで言われて……クソッ、あの野郎。思い出したら腹が立ってきた……。
 男は苛立ちながら、再び駅前の通りを見回した。
 そろそろだ。たしか、妻の寝言では――午後五時五分、駅前、赤い車、四十代男性、轢かれて死ぬ――だったはず……あっ!



「あら、あなた、おかえりなさい。今日は早かったのね」

 家に帰ると、妻がソファで伸びをしながら言った。男は視線を逸らし、もごもごと答える。
Nコード
N2019KP
作者名
雉白書屋
キーワード
キーワードが設定されていません
ジャンル
ヒューマンドラマ〔文芸〕
掲載日
2025年 06月11日 11時00分
感想
0件
レビュー
0件
ブックマーク登録
0件
総合評価
38pt
評価ポイント
38pt
感想受付
受け付ける
レビュー受付
受け付ける
※ログイン必須
誤字報告受付
受け付ける
※ログイン必須
開示設定
開示中
文字数
1,578文字
作品を読む
スマートフォンで読みたい方はQRコードから

同一作者の作品

N9723KZ| 作品情報| 短編| その他〔その他〕
 ……やはり、おれはとんでもなくすごいものを発明してしまったようだ。こうして紙に書き出してみると、あらためてそのすごさを実感できる。……ああ、ほら、すごい。こんな使い方もできるのだ。それに…… 「うおっ、なんだよ。来て//
N9717KZ| 作品情報| 短編| ヒューマンドラマ〔文芸〕
「くそっ、まただ!」  昼下がりの街角。ざわめく人並みの奥で、おれは立ち止まり、片手をビルの壁につき、吐き捨てるように声を漏らした。 「また、取り逃がした……」  おれはある男を追っていた。ついさっきまでの話じゃな//
N9705KZ| 作品情報| 短編| ヒューマンドラマ〔文芸〕
 おれには最高の彼女がいる。名前はメリー。明るくて気が強いが、ときどき不意に見せる無防備な笑顔が、たまらなくかわいいんだ。スタイルも最高さ。で、彼女にはアメリアって妹がいるんだが、なんとまあ困ったことに、アメリアもおれに//
N9704KZ| 作品情報| 短編| 宇宙〔SF〕
 長年、銀河系内の惑星探索を続けてきた宇宙局は、ある惑星に目を留めた。  星番号T-36757。探査衛星が送ってきた惑星全体の画像。雲の切れ間から、かすかに青い部分が覗いていた。  あれは海ではないか――そう分析した宇宙//
N5255KZ| 作品情報| 短編| ヒューマンドラマ〔文芸〕
「なぜ、自分の恋人を殺したんだ?」  取調室。無機質な蛍光灯が天井からかすかな熱を放ち、薄汚れた壁や机を鈍く照らしている。刑事は机の上で手を組み、じっと男を射抜くように睨みつけた。  男は無表情のまま、伏し目がちに机の//
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ