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棘のないヤマアラシ

短編
あらすじ
雪深い森に、棘のないヤマアラシ・ハリーがいた。
他の子たちは棘で身を守り、寒い夜は寄り添って暖を取る。
でもハリーは近づくたび棘に刺され、自分だけが傷つき、血を流す。
「近づくと痛い、離れると凍える」——それがヤマアラシのジレンマだった。
ハリーは棘がないことで困っていた。

ハリーは次第に群れから遠ざかり、一人で冬を越そうとした。
けれど吹雪の夜、凍え死にそうになったところを、親友のトゲが命がけで抱きしめて救う。
トゲもまた、ハリーを守るために自分の体を傷だらけにした。

翌朝、トゲは木の枝や松ぼっくりを削り、小さな棘を作ってハリーの背中に貼りつけた。

棘を手に入れたハリーは、初めて対等に寄り添えるようになった。
近すぎると痛い。遠すぎると寒い。
だから二人は、ちょうどいい距離を探し続ける。

傷つくことを恐れていたハリーは気づく
完璧に傷つかない関係なんてない。
それでも、傷つきながら温め合える距離が、確かに存在する。

棘があってもなくても、大切なのは
「そばにいたい」と願う気持ちと、それを貫く勇気だけ。

春が来て棘は抜け落ちても、二人はもう離れない。

Nコード
N2007LK
作者名
雲晴 莉叶
キーワード
秋の文芸展2025 ほのぼの
ジャンル
童話〔その他〕
掲載日
2025年 11月23日 15時26分
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評価ポイント
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文字数
1,347文字
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