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加護のない私は溺愛を知らない

あらすじ
二年半、毎日同じ工房で隣にいた上司の道具箱を、備品だと思っていた。

精霊の加護が人の価値を決める世界で、加護を持たずに生まれた。 伯爵家の長女。 名前を呼ばれた記憶がほとんどない。 食卓の席はあったが、誰も目を合わせなかった。

前世にあった土木の知識だけが、唯一自分を証明できるものだった。 手間賃を貯め、国境を越え、技術で人を評価する隣国の辺境にたどり着いた。

配属先の上司は、寡黙だった。 技術の話になると声に熱がこもるのに、それ以外はほとんど口を開かない。 感情を言葉にしようとすると、三語つないだあたりで黙る。

作業台の位置がいつの間にか近くなっていた。 深夜に誰かが薬湯を置いていった。 食堂で自分の分だけ食事が取り置かれていた。

全部、上司の仕事だと思っていた。 誰に対してもそうしているのだと、疑わなかった。

百二十七通の手紙が存在することを、私はまだ知らない。 その手紙を書いた人が誰なのかも。

声にできなかった感情は、どこに届くのだろう。
Nコード
N1574LW
作者名
月雅
キーワード
異世界転生 女主人公 ハッピーエンド 身分差 西洋風 溺愛 じれじれ すれ違い 技術チート 手紙
ジャンル
異世界〔恋愛〕
掲載日
2026年 03月03日 12時14分
最終掲載日
2026年 03月03日 12時15分
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文字数
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