ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

人間の案山子

短編
あらすじ
 ……瞼を開けた私の前に広がる空は、どこかおどろおどろしく、天が私を拒絶、あるいは見放しているかのようだった。
 それが朝焼けでなく夕焼け空だと瞬時に思ったのは、私が仰向けになっているそこがトウモロコシ畑であり、近くで鳴く鴉の声から感じ取ったからだろう、その不気味さを。寄生バチに卵を産み付けられるように、塊のような不安感が胸を内から圧迫し、私は起き上がろうとする。
 と、その瞬間、声がした。後ろ、やや上の方から。

『出てけ! 出てけ! 畑に入るな! 出てけ! 畑に入るな!』
Nコード
N1462IO
作者名
雉白書屋
キーワード
ショートショート
ジャンル
空想科学〔SF〕
掲載日
2023年 12月28日 11時00分
感想
0件
レビュー
0件
ブックマーク登録
0件
総合評価
32pt
評価ポイント
32pt
感想受付
受け付ける
レビュー受付
受け付ける
※ログイン必須
誤字報告受付
受け付ける
※ログイン必須
開示設定
開示中
文字数
3,293文字
作品を読む
スマートフォンで読みたい方はQRコードから

同一作者の作品

N3371KO| 作品情報| 短編| ヒューマンドラマ〔文芸〕
 ――え……?  アパート暮らしの大石という男がいた。その夜、彼はふと部屋の中をゆっくりと見回し始めた。唐突に、何かの“気配”を感じたのだ。しかし、部屋の様子は朝出かけたときとまったく変わらない。玄関と窓の鍵はきちんと//
N3366KO| 作品情報| 短編| ヒューマンドラマ〔文芸〕
 夕方、とある小さな美容室。通りに面したガラス戸を控えめに開け、一人の男が、おどおどとした様子で中へ入ってきた。 「す、すみません。あの、予約とかしてないんですけど……これに、『この条件に合う方は予約不要』って書いてあ//
N8369KN| 作品情報| 短編| ヒューマンドラマ〔文芸〕
 むかし、三吉という男がいた。大の酒好きで、毎晩のように呑みに出かける。今夜も、上機嫌で暗い夜道を歩いていた。  たまによろけるたびに、「おっとと」と呟いては、へらへら笑う。自分が転びそうになることすら楽しくて仕方がない//
N8365KN| 作品情報| 短編| ヒューマンドラマ〔文芸〕
「『入るな』か……ふふっ」  夜、おれは町外れの古びたトンネルの前に立っていた。ネットで仕入れた情報によると、どうやらここは“出る”らしいのだ。  人けはまったくなく、昼間ですら誰も通らないのかもしれない。まだ入り口だ//
N8360KN| 作品情報| 短編| ヒューマンドラマ〔文芸〕
「それじゃあ、未来に」 「ああ、未来に……」 「かんぱーい!」「かんぱーい!」  おれたちは酒を掲げ、一気に飲み干した。この『未来に』というのは、おれたちの合言葉で、一緒に飲むたびに交わしてきた。ただ、こんなふうに二//
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ