短編
- あらすじ
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ある日曜日の昼下がり。小学校三年生の女の子、すずは一人で川土手を散歩していた。友達と遊ぶよりも、本をよんだりひとり空想することが好きなすずの、お気に入りのコースだ。歩きつかれてひと休みしていると、すずは不思議なたまごを見つける。草むらにちょこんとたたずむ空色のたまご……家に持ち帰って調べてみても、何のたまごか分からない。すずはたまごを孵し、育てる決心をする。
翌朝、目をさましたすずのそばにいたのは、殻をわって出て来た、手の平にのるほどの赤ちゃんだった。妖精の赤ちゃんに違いないと信じたすずは、赤ちゃんのお母さんになろうと、奮闘する。言葉も話せない、何を考えているかも分からない赤ちゃん。誰にも打ち明けることなく、すずはポケットに赤ちゃんを隠して登校したり、仮病をつかって学校を休んだりしながら、赤ちゃんのお世話をいっしょうけんめいする。けれども赤ちゃんには、ちっともそんな努力と想いは伝わらないのだった。むくむくと、やっぱり不思議なスピードで大きくなりながら、泣いたり、暴れたり、勝手し放題の赤ちゃんに、すずはすっかり疲れ果ててしまう。そんな中、ちらりとかいま見えたクラスメイトの素顔、幼いころなくした父にまつわるエピソード、すずが赤ん坊だったころ育てた若い母の気持ち……それらが、内気で一人の世界に閉じこもりがちだったすずの心の壁を、少しずつ溶かしていく。やっと赤ちゃんと気持ちが通じ合い、「だいすき」と赤ちゃんを抱きしめたすず。ところがその時、すずは赤ちゃんの背中に、見たことのないでこぼこを見つけるのだった……。
赤ちゃんとわかれ数年経ったいまも、すずは青い空をながめやるたび、かわらずあの冒険の日々を思い出している。
- Nコード
- N0704CQ
- 作者名
- 柏崎棗
- キーワード
- 天使 エンジェル 卵 赤ちゃん 心あたたまる
- ジャンル
- ノンジャンル〔ノンジャンル〕
- 掲載日
- 2015年 04月18日 11時51分
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