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訳あり客しか来ない古書店

あらすじ
路地裏にある、小さな古書店。
看板は古く、営業日も不定で、常連と呼べる客はいない。
それでも、この店にはなぜか「訳あり」の客ばかりが訪れる。

離婚を決めた帰りに本を抱えてくる人。
もう会えない相手の蔵書を処分しに来る人。
人生の整理がつかないまま、紙袋を下げて立ち尽くす人。

店主は、客の事情を深く聞かない。
慰めもしなければ、助言もしない。
ただ、本の状態を確かめ、静かに値段を告げるだけだ。

けれど、本には、前の持ち主の時間が、ほんのわずかに染みついている。
それは声になるほどはっきりせず、説明できるほどの不思議でもない。
それでも、確かに「残っている」。

本を売るという行為は、何かを終わらせることなのか。
それとも、別の形で残すことなのか。

この古書店では、人生は救われない。
大きな奇跡も起きない。
ただ、誰かが少しだけ決断をして、店を出ていくだけだ。

それでも、今日も店は開いている。
訳あり客を迎えるために。
Nコード
N0666LO
作者名
妙原奇天
キーワード
キャラ文芸 お仕事小説 古書店 日常 ほっこり 人間ドラマ 連作短編 大人向け 癒し 現代
ジャンル
純文学〔文芸〕
掲載日
2025年 12月26日 13時59分
最終掲載日
2025年 12月26日 15時36分
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