ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

三途の川の船頭さん

短編
あらすじ
 深夜、とある家。布団に横たわる男が、枕元の携帯電話に手を伸ばした。まるでカタツムリの歩みのように、ゆっくりと。
 彼は自分の寿命が尽きるのを悟っていた。指先が震え、冷え切っている。呼吸は浅く、胸の奥がじんわりと痛む。だからこそ、最後の力を振り絞り、電話をかけようとしているのだ。
 コール音が響き、相手に繋がると、彼はか細い声で言った。

「……あ、もしもし、三途の川渡しの船頭さんでっか?」

「おう、そうやけど、どなたさん?」

「ぼちぼち死にそうなんで、船の予約をお願いしたいんですわ」
Nコード
N0597KI
作者名
雉白書屋
キーワード
キーワードが設定されていません
ジャンル
ヒューマンドラマ〔文芸〕
掲載日
2025年 04月15日 11時00分
感想
0件
レビュー
0件
ブックマーク登録
0件
総合評価
26pt
評価ポイント
26pt
感想受付
受け付ける
レビュー受付
受け付ける
※ログイン必須
誤字報告受付
受け付ける
※ログイン必須
開示設定
開示中
文字数
936文字
作品を読む
スマートフォンで読みたい方はQRコードから

同一作者の作品

N8360KN| 作品情報| 短編| ヒューマンドラマ〔文芸〕
「それじゃあ、未来に」 「ああ、未来に……」 「かんぱーい!」「かんぱーい!」  おれたちは酒を掲げ、一気に飲み干した。この『未来に』というのは、おれたちの合言葉で、一緒に飲むたびに交わしてきた。ただ、こんなふうに二//
N4567KN| 作品情報| 短編| ヒューマンドラマ〔文芸〕
 むかし、とある長屋に松吉というだらしのない男が住んでいた。女房と二人暮らしで、日銭稼いでは安酒をあおり、足りなくなれば、人に金を借りてしのぐ始末。当人は毎日酒さえ飲めればいいという気楽な性分だった。だが、そんな暮らしが//
N4566KN| 作品情報| 短編| ヒューマンドラマ〔文芸〕
 とある住宅街の道端にて――。 「あら、どうもぉー!」 「どうもぉ、うふふ、お元気?」 「ええ、とっても元気よお。そちらは?」 「元気、元気! 最近ね、ヨガ教室に通い始めたのよお」 「あら、そうなの。よかったわあ。//
N4565KN| 作品情報| 短編| ヒューマンドラマ〔文芸〕
 ある死んだ男。彼は戸惑っていた。自分が死んだことに対してではない。また、天国に辿り着いたことに驚いたわけでもなかった。人間というのは、どこかで自分を善人だと信じ込んでいるものだ。  彼が困惑したのは、天国の様子だった。//
N4564KN| 作品情報| 短編| 空想科学〔SF〕
「ん、なんだこれ……」 『おはようございます。いい朝ですね』 「え……ああ、そうか……」  朝、目を覚ましたおれは、首筋に妙な違和感を覚えた。女性の澄んだ声が響き、その理由はすぐにわかった。これは「スマートチョーカ//
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ