- あらすじ
- 私が病院から出て来た時、既に殆どのことが片付いていた。先生の裁判は非公開のうちに片付けられ、家に残っていた翔の痕跡も片付けられ、湖畔の別荘も警察の手で、新築同然に片付けられてしまった。命を弄ぶための悍ましい機材も、生まれることのなかった命の残骸も、罪のない家族の思い出さえ、最早あの家には残っていない。今も残っているものは、物置に隠したままの、真新しい車椅子くらいだ。それも月日が経り積もれば、遠景に紛れてしまうだろう。
死体が見つかったという話は、今のところ聞こえてこない。自力で生きていけるように造られたわけではないから、決して長生きはできなかっただろうけれど。どこかの浜に打ち上げられればニュースにならないわけがないから、都合のいい想像を慰めに今日を生きている。
私が見上げているのと同じ、広々とした青空を舞う、翔(カケル)の姿。無責任な話だけれど、私にはこう思えてならない。あの日私の目の前から飛び去って行ったのは、本当は翔(アキラ)だったのではないか、と。 - Nコード
- N0147HJ
- 作者名
- 筬群万旗
- キーワード
- R15 残酷な描写あり 人外 チート 伝奇 転生 ドラゴン ヤンデレ メンヘラ 毒親 人体実験 禁術 追放 復讐 近親相姦 世界樹 封印
- ジャンル
- ハイファンタジー〔ファンタジー〕
- 掲載日
- 2021年 12月07日 21時02分
- 最終掲載日
- 2022年 01月14日 16時18分
- 感想
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- 総合評価
- 14pt
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- 文字数
- 63,032文字
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そして翔は龍になった
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