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魔法協議会

この日は臨時の魔法協議会を魔法協会が開いてくれるという事で、各会社の代表たちが東京に集まった。


悠は、時間がないため前日入りではなく、転移魔法の使用を許可されていた。


悠は、いつも用意されている特別指南役の席ではなくZion 代表としての席に案内された。


「これから会議を始めます。」


「まず議題としまして、Zion の議題です。 今皆さんはZion支部の手助けをされている状態だと思います。これをもう少々耐えていただきたいのです。」


魔法協会会長の言葉は絶対だった。会長に逆らうと自分たちに振り込まれる金の問題トラブル対応などを協会側にお願いできなくなってしまう。


「このZionにつきましては、皆さんもご存じの通りかと思いますが、五十嵐 悠さんが新たに代表に就任されました。 ご挨拶お願いできますか?」


悠は、その場に立ち挨拶をし始めた。


「皆さんご存じの通り私は、ロジックからZionの代表となりました。急遽の対応だったので皆さんにはご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いいたします。」


悠は軽く挨拶を終えてその場に座った。

今の悠の行動は、魔法協会の指示とはいえあまり良いと思われる行動ではない。そのため、他の者の顔を見ながら挨拶をすることが出来なかった。特にロジックの代表の顔は全く見ることが出来なかった。


「次の議題です。 最近ゲートの異常が多く観測されています。なるべく全てのゲートに普段より多くの人員を派遣していただきたいのです。」


伊東で起こったA級ゲートにS級の魔力値を感知させるという事が頻繁に起こってしまったら、適正ゲートの対応をできるかどうかの判断が難しくなってしまう。だからこそ、人数を多く掛ける。ゲートの魔力値以上の級の派遣をさせるなどの対応が必要だった。


「このゲートに関しては、研究を進めていますが、事実が解明していません。10年に1度の厄災の日が近づきつつある証拠かもしれません。」


「各会社ゲート対応を慎重に行ってください。 異常が発生した際は、魔法協会にご一報ください。」


会議は3時間ほどで終了し、皆足早とその会議室を後にし始めた。


「悠、調子はどう?」


そう声をかけてきた男は、株式会社 ライト ノア代表 天月 康人

彼は、190以上あり大柄の男である。悠とは、康人が代表になってからの10年以上の付き合いだった。彼が、悠に会社の運営について相談したことで仲良くなり始めた。


今では、関西、近畿、四国を担当する日本で2番目に大きな魔法会社を運営している。


「ぼちぼちさ。 クソほど忙しいのを除けばな。」


康人は笑っていた。悠は、康人とは、とてもフランクに語り合える友人であり、互いに愚痴を言い合える数少ない友達であった。


「今は人員募集だろ? 目処は立っているのか?」


「全然足りん。 S級を4人、A級以上を20人 B級を30人以上は欲しい。」


「悠には、恩がある。 君たちの人員が充足するまで、君たち支部への派遣続けよう。」


「マジでありがたい。」


これで今派遣してもらっている3拠点はこのままの状態維持ができることが決まった。

代表たちと対面で話し合うことが一番の有効手段だった。


「落ち着いたら、一杯飲みに行こう。」


彼は、そう言い残し会議室を出て行った。


悠は、一番やらなくてはならない仕事があった。それは、頭を下げてでもロジックに人員派遣を続けていただけるようにお願いしに行くことだった。ここに来てから、ろくに彼女の顔を見ることができなかった。それほどまでに、悠は自身が勝手にロジックを辞めたことに対して彼女が怒っていると思っていた。


彼女は幸いまだこの場に残っていた。


悠は、久しぶりに会うロジックのリーダーである里奈の傍によった。悠は、直接目を見ることが出来ないほど気まずかった。ただ、話を切り出さなければ進まないため、頑張って声を張った。


「里奈さん申し訳ないのですが、ロジックの社員の派遣を続けていただけないでしょうか?」


悠は、深々と頭を下げながら里奈にお願いをした。

里奈は、悠の指導を受けてきた1人だった。 彼女が尊敬する大先輩の悠より立場が上になることも嫌だったのに、頭を下げられる日が来るとは思ってもいなかった。


「悠さんやめてください。」


今まで悠に対し少し冷たい態度を取っていた里奈は、悠のいきなりの行動で優しさが出てしまっていた。

悠は、里奈の対応が懐かしいような気持ちにさせられた。


「悠さん。私たちはあなたに感謝しかありません。今回の出来事も協会からの依頼という事で仕方なく受けられたものでしょう。私たちに、今までの恩を少しでも返させてください。是非私たちは協力いたします。」


ルイは、1ヶ月で彼女がここまで成長したのかと感じていた。もしかしたら、彼女たちを教えるという立場あまりに、彼女たちの成長度合いを理解していなかったと思ってしまった。


「本当に、ありがとう。」


悠は、里奈の頭を軽く昔のように撫でた。


里奈は童心に戻った感覚になり少し照れくさがりながらも、嬉しいという感情で一杯だった。


これでさらに5支部のとりあえずの人員確保が出来た。トータルで8拠点を任せられるため、残り14拠点を自分たちで確保することが優先となった。


ただ、今回頼み込めなかった者たちの中でも引き続き派遣してくれる会社があった。今まで、いろいろな人々と関わってきた事に恵まれていた。


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