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伝説の始まり

悠は、同窓会の翌日も帰る家も帰っている時間もなく本社に寝泊まりをしていた。

有紗は、魔法協会員に夜預かってもらい、昼間は保育園に連れて行ってもらっている。

家族の時間が取れないのは残念でしかなかった。


昨日からZion本社に向け電話が鳴り続けていた。

それは、門の管理を任せている企業からだった。門の管理の限界に来ているという知らせが多かった。人手を割いて来てもらっているため、これ以上無理強いするわけにはいかなかった。悠との交友が深い企業は、まだ管理を続けてくれるそうだ。ただ、ロジックのようなトップの企業であっても門の管理を5つ以上することは難しい。そろそろ自分たちで門の管理を担当する必要があった。


さらに、出費も割増しになってきており既に100億という金額を他企業に支払っている。

今日は朝からそのことで、Zionの運営を行っている別棟の経理責任者が伺いに来た。


彼は、こちらを下に見るわけではなく上に見るわけでもなく少しやり取りがしにくい相手だった。


悠は、一般的には顔を見せないため、社員の者と会う時もマスクを心掛けている。

そのため、新人は変な格好で重要な会議に参加していると思われることが多いのだが、

悠にとっては至って普通の格好であった。


「悠さん。初めまして。私は、この会社の運営の責任者を行っております山脇と申します。」


彼はさっそく名刺を取り出し、こちらに渡してきた。

悠は、まだこの会社に入って日が浅いため名刺を準備する時間は無かった。


「山脇さんよろしくお願いいたします。名刺がなくて申し訳ございません。」


「早速ですが、今の状況を説明してもらえますか?」


悠は、なるべく早く次の仕事に移りたかったので、余談を持たず必要な話に入った。


「今財政が緊迫してきております。毎日他の企業に守ってもらう代金として既に100億以上を支払っています。さらに、私たちに入ってくるお金は無く、遺族への支払いも重ねてありますのでこの状況は、半年は続かないです。 銀行や国からの支援も考えてはいますが、今のこの会社の状況では融資は厳しいでしょう。」


「君の個人の意見として、どうしたらよいと思う?」


「経理の観点から申しますと、支店を売り渡すのが良い考えだと思います。」


「それは、駄目だ。国から命を受けているのは、この会社が5番目の地位を維持すること。むやみに減らすことは出来ない。」


「君には無茶を言うが、お金の管理は逐一報告してくれ。融資を頼みに行くならこちらに一報を入れてくれ。」


お金に関しては心配事項が多いが、今は、この状態から変化させることは出来なかった。ただ、この会社が軌道に乗ることを待っている必要があるだけだ。



今度は、良い知らせが悠の携帯にも電話が頻繁になっていた。


「悠、Zionへの参加を考えている。条件を聞かせてくれ。」


悠は、その電話に喜びを隠せなかった。久々の同志たちと一緒に戦えるという高揚感が拭いきれなかった。


戦いを離れてから年数がたっているためもう一度「級」の検査をしなければならなかった。

その等級と戦いぶりによって給与は変更しようと思っている。


「保証できるのが、C級ですら年収2000万は保障する。」


「悠、俺はお金も欲しいが、この世界を退いてから毎日退屈の日々を送っていた。そんな時、お前に声を掛けられて嬉しかった。久しぶりに自分に役目が来たのだと思えた。」


悠は、自身が永久に魔法士として活躍しているからこそ、辞めていったものの気持ちが余り分からなかった。ただ、彼らが望んでくれるなら快く受け入れるつもりだった。


その後も電話が続き、元Sランク20名と元Aランク26名の方々に検査だけでも、という事で再来社いただけることになった。


年齢は30代8名。40代18名。50代18名。60代2名という結果になった。


30代の1名は、元Sランク、家族と暮らしていたが離婚し独身となったためやる事がないそうだ。正直年齢的にも実績的にも彼には期待が大きい。


60代は元Sランクながら特殊能力(開眼)を持っており、まだまだ力は健在だそうだ。


彼らは、自分たちの都合でわざわざ来訪してくれていた。悠は、対応できる時がほとんどないので、社員や魔法協会のものたちに検査の依頼をしておいた。


彼らに任せている仕事は、実力の調査。魔力の計測。特殊能力の検査。それを踏まえたうえでの給与面や条件面の提示。などの話を進めていくように勧めた。


話を伺いたいと言ってくれた者たちの今の実力は、S級2名A級10名B級16名C級18名という形になった。


S級は一人5億の契約を提示した。

A級は上位なら2億~  下位なら1、5億~

B級は8000万~

C級は2000万~

という額を提示した。


残念ながらC級と提示された者たちは自分たちの実力の衰えを現実に受け止めることが出来ず全員が条件をのむことはなかった。


B級隊員も7人がその場で拒否をしてしまった。他は、時間を頂き考えてもらうことになった。

A級隊員は、3名が条件一致となり、7名は、時間を頂きたいという事になった。

S級隊員は、条件一致となった。

この時点で、S級2名 A級3名の確保が出来た。

彼らは、来週からの勤務を行なってもらい。とりあえずは本社への移動をお願いしてある。

最初にZionのやり方に慣れてもらうため、本社近くの門の対応からやるつもりであった。ただ、遠距離の対応も必要なため、その際は出張してもらう事にしてもらった。


基本的に、Zionは22支店の運営を行い、北海道や東北をメインに人材を置かなければならない。それは、1拠点につきA級以上の人材が複数必要であり、まだZionに入社したばかりなので、拠点運営を行える能力があるのかを知る必要があった。ただ、参加してくれる者たちを集めてこれで、6拠点の人員を確保できた。

後は、22支部を運営できるようなA級以上の隊員を集める必要がある。


悠は人員確保のため求人の募集をいろいろなメディアなどを通して行っていった。


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