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同窓会

同窓会の日がやってきた。会社には、大きな横断幕を飾り復活祭と掲げられていた。

Zion社員たちが徹夜して準備を手伝ってくれた。Zionの復活祭なのに、Zionの社員は裏方で作業をしなくてはならなかった。


午後17時集合にしてあったが、16時ごろからぞろぞろとメンバーが集まり始めた。今回来てくれるメンバーは総勢343名という大所帯だった。

悠は、懐かしのメンバーに少し心が打たれていた。そこには過去の時代を作ってきた者たちが集まり始めていた。悠と一緒にいた魔法協会メンバーやZion社員は憧れの眼差しで彼らを眺めていた。誰もが憧れるような伝説の魔法士たちだからであった。


彼らを会場まで迎え入れZionタワー2階にある会場まで呼び寄せた。Zionタワー2階は大規模の会場となっている。新年会や会社の表彰式記者会見を行うためのものであり広々とした空間が広がっている。

本日は、その会場に70以上の円卓のテーブルと350席以上の椅子を用意していた。席は自由になっており、各自知り合いが多いテーブルに着席するようになっていた。


悠は、各席を回り挨拶をし始めた。 旧友との再会に懐かしいという気持ちが込み上げてきた。もっと長く挨拶をしたい気持ちが多いが、50ものテーブルがあるので1〜2分単位でテーブルを回っていた。


17時を過ぎ、皆が揃ったところでさっそく乾杯の音頭で、同窓会という名のパーティーが開催された。


「御多忙ながら、いやここに居る皆さんは引退しているから暇だよな。とりあえず君たちと生きて再会できたことに感謝をしよう。乾杯。」悠は、冗談を交えながら乾杯の挨拶を終えた。彼の性格を知っている者たちは彼の懐かしい冗談交じりの挨拶にクスクス笑っていた。


会場には、悠が自費で用意した高級のワインやお酒が並べられていた。

悠はこの日のために、シェフとウェイターを多数用意していた。席に、座り次第お酒が届くようになっており、各自好きな物を飲み食いできるようになっていた。


宴会が始まり、高級のディナーがもてなされた。 海鮮から肉料理から様々な料理が用意されていた。 流石に、彼らに頼みごとをするのに安い料理や酒を出すわけにはいかなく悠は5億をかけて今日の準備を行わせていた。


宴会は、盛り上がりを見せ長く続いていた。場も和んだところで、悠は本件であることを話し始めた。


「皆さま、久しぶりに会えて心から喜ばしいと思っております。本当は、この会社で同窓会をするというのは不謹慎極まりない行為だと思います。ただ、今回同窓会という名を使いあなた方に集まって頂いたのは理由があります。皆様もご存じの通り私はこのZionという会社の責任者となりました。この会社には、私が好意にしていた者たちも多く存在し、門の異常で彼らが亡くなられたことは物凄く悔しいです。ただ、私たちは仲間の死さえも乗り越えてきた。お互い人々を助けるために突き進んできた同士です。」


「皆様に、一つお願いがあります。引退され余生を安定して暮らしたい身であるのは重々承知です。私たちクランにあなた方のお力をお貸し願えないでしょうか?」


悠は、深々と頭を下げ彼らに頼み込んだ。悠が人にものを頼むことは珍しく、ここまで懇願する事は珍しかった。

楽しくお話していた会場は静寂に包まれていた。Zionのメンバー全員が会場内で深々頭を下げたことで皆がZionのメンバーの本気度を伺えた。


せっかくの同窓会でもあるので、流石に静寂の時が刻まれていたのを盛り上げる必要があった。

彼女を出しに使う必要はないが皆にも知ってもらいたいので、悠は娘を紹介することにした。


「こっちに来て。」


小さな体でこちらのステージに向かってくる様子は皆に和みを与えた。


「名前言える?」


悠は彼女の方にマイクを向けた。


「有紗です」


そのかわいらしい声がこの会場に響いたときに会場からは拍手が巻き起こった。


「みんな知らないと思うけど、この子は私の娘です。 この場で、有紗をこの会社のマスコットガールへと任命する。」


「有紗。 みんなの周りを駆け回ってくれる。」


有紗に初めての頼みごとをした。彼女は、ぺこりと頷いた。

有紗は、会場中をダッシュで駆け巡っていた。その途中で、皆に挨拶を返したりしていた。


―実に賢い子だ。そんな声も聞こえてきていた。

悠は、まだ知り合って日が浅いが彼女のことはあまり心配する必要がないことを感じさせられた。


有紗のお陰で場は和み、同窓会は楽しく終わることが出来た。


皆に、この話を持ち帰ってもらい、後日返事をもらえるように言及しておいた。

その日の同窓会の1次会はZion本社で行い、2次会は、悠は参加をしないので、他で各自行きたい者だけ参加することになっていた。


彼らが帰った後の会場は、落ち着いた雰囲気で懐かしい匂いが残されていた。

Zion社員と片付けを終えた後、手伝ってもらった魔法協会員とお疲れ様会を開いた。


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