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愚痴
「あーぁ今日は失敗しちゃったぁ。誰1人亡くならなかったわ」と女性は舗装された道を文句を呟きながら歩いていた。
「あんなにド派手に窓ガラスを割ったのに…ねぇ聞いてる?」と後ろでトボトボと歩いてる私に声をかける。
「えっ?あっそうだね。今日は運がなかったね」
と言うが心の中では良かったと思ってる。
「はぁ……死神姫がしっかりしてないから…。こんな結果になっちゃったのよ。しっかりとしてよね」
と言い、また歩き出す。
「うん。わかった。次はしっかり…身をわきまえてするよ」と伝えた。
(身をわきまえてかぁ)と空を見上げる。
薄暗い夕陽の中、カラスが数羽羽ばたき、電柱につかまり、こちらを見下ろしてる。
不気味なぐらいだ。気のせいか獲物を狙ってる目に見え
た。
「あたし…これからこの仕事続けられるのかな」と呟くと
「続ける自信がないのならはやく成仏したら…」と女性は言った。
なんだか嫌みに聞こえた気もしながら、せの後について行った。