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この作品には 〔ボーイズラブ要素〕〔ガールズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

転生したらエロゲのヒロインだったので他のヒロインの攻略フラグ潰したけど思ってたのとなんか違う

メス堕ちなんてするもんか!

目が覚めたら女として生まれ変わっていた。何を言っているのかわからないと思うがまず落ち着こう。

俺は何の変哲もないただの高校生。ただほんのちょっとエロゲーが好きなだけの思春期真っ只中の男子高校生だ。

そんな俺が何故女として生まれ変わることになってしまったのか。

きっかけは不用意に道路に飛び出してしまった幼気な子猫を助けたことだった。


「危ない!」


果敢にも子猫を道路から追い出した俺は身代わりになるかのようにトラックに轢かれていた。

地面に血が滲み出る。


「あ……これ死ぬかも…」


そう呟いた時には俺の意識は既に沈みかけていた。



そして気づいた時には目の前には母親らしき人物が俺を抱いてゆらゆら体を動かしている。赤子をあやすかのように。

おっ、これはもしかしなくても異世界転生ってやつ!? なんて呑気に考えていた時期もありました。


ただの現実世界だったよ畜生。別にそれだけなら良い。本来失われていた命だ。第二の生を受けれるなんてこれ以上ない幸福だろう。ただ女として転生したのはいただけない。いや女として転生したのはまだいい。

だが不幸にも俺が転生してしまったのは前世で俺が遊んでいた「ハーレム無双学園!~美少女達との激甘学園生活~」

のヒロインの一人、東條 茜に転生してしまったことだ。


とまあ転生した当初はそんな風に考えもしたが、考えてみれば俺の中身は男。いくら主人公といえど俺が攻略されることはないだろうし、エロゲの世界といっても前世の世界と何か特別な相違点があるわけでもない。いっそのこと全部のヒロインのフラグをへし折って主人公君を泣かせてやろうと思った。ハーレムは築かせたくないしね。高校入学の時には既に俺は第二の人生を謳歌することしか頭になかった。






「茜はどこの部活に入ろうと思ってるんだ?」


帰り道、隣を歩くこの男は俺の幼馴染の仁孝 秋くんだ。家が近いというわけではなかったが、ふとした拍子に遊ぶようになって、それから度々家にもお邪魔させてもらっている。


「うーん。部活もいいけど、私そんなに部活頑張れる自信ないからなぁ…帰宅部じゃダメかな?」


いうまでもないが俺はちゃんと女の子として振る舞っている。一人称が俺のガサツな女の子とか、他人から見たらちょっと痛い子だ。何より俺の中のエロゲヒロイン東條茜のイメージを崩したくないという思いもあった。

もっとも、今の身体は自分のものだと認識しているため、前者が主な理由だが。


「茜らしいなぁ。茜が部活に入らないなら、俺も別にいいかな」


「はぁ!? もったいな! 秋は運動できるんだから何か運動部にでも入ればいいのに!」


そう。俺の幼馴染は勉強も運動もそれなりにできる。もし運動部にでも入れば、女子達からモテまくるに違いない。

普段の俺ならモテる男などクソ喰らえと思っているのだが、長年連れ添った幼馴染だ。情が移ったのか、イケメンだろうが普通に幸せになってなってほしいと思っている。だからこそ解せない。


「大体私が部活に入らないから入らないって……自分の意思はないの?」


「あるよ。言ったでしょ。茜が入らないなら入らない。それが俺の意思」


「呆れた。ばかだね〜。秋の顔なら運動部にでも入れば女子にモテまくりでハーレム生活待ったなしなのに…」


「俺が好きなのは一人だけだからな…」


「何?今何か言った?」


「何でもないよ。それより今日暇?昔みたいに茜の部屋でゲームしたいんだけど…」


「別に空いてるけど……ていうか仮にも私達年頃の男女なんだから多少は遠慮したほうがいいと思わない?」


「気にするか?」


「いや別に。」


俺と秋が部屋でゲームするのはもはや日常となっている。高校生になったからといってその関係性が変わることはないだろう。


「じゃあいいだろ。じゃ、着替えたらすぐ行くから」


「はぁ。まあいいけど。じゃ、また後でね」


「あぁ」


そう言って秋は私を送り届けてから帰って行った。先ほども話したが私達の家はそこまで近いわけではない。

だが秋は毎日律儀に“私”のことを送り届けてくれる。なんでも、女の子一人で帰らせると何があるかわからないから。だとか。秋のそういうところが………






さて、俺はこの世界でやるべきことが残っている。それは…


「主人公君とヒロインズがどこにいるのか………か」


忘れているかもしれないが、この世界はエロゲ世界である。当然エロゲなので主人公は存在するし、それに伴ってヒロインズも存在する。しかし主人公の見た目はわからない。それもそうだ。エロゲとはあくまでヒロインに焦点が当たるもの。主人公のキャラデザなどなくてもいいのだ。したがって、探すのは自然とヒロインの方になる。


この「ハーレム無双学園!~美少女達との激甘学園生活~」の世界にはヒロインは5人いる。


1人目が現在の俺こと東條茜。黒髪ロングの正統派美少女で、同じクラスで席が隣だったことから仲良くなるヒロインだ。5人の中で一番攻略難易度が低く、プレイヤーのほとんどは最初に攻略することになるヒロインだ。


この世界では残念ながら中身が男なので攻略難易度はSSクラスといっていいだろう。残念だったな主人公君。男に惚れる趣味はないのだ。どうか他のヒロインと仲良くしていてくれ。




そして2人目だが、こちらは既にコンタクトをとっている。というより昔からの仲だ。名前を羽賀透子。髪を金髪に染めたギャルだ。


ゲームでは両親が蒸発、弟は不良に、初めて付き合った恋人からは一回体の関係になった後に捨てられるという散々な人生を歩んでいる。


が、流石に俺も見て見ぬふりはできない。もちろん全力で彼女の家庭崩壊を阻止した。両親の離婚はそもそも二人の勘違いが原因だったのだ。ややこしかったがその勘違いを解消してやるとすぐに二人の仲は元通りになった。弟君の方も、ちょっと色仕掛けをしてやったりしてドギマギさせたりしながら非行に走らないように何とかした。


結果的に透子の両親はいちゃらぶを見せつけながら嫁に来ないかとしきりに勧誘してくるし、弟君の方も満更でもない顔をしている。透子の方も俺が嫁に来ることを望んでいるようで、なにかと弟君の良いところをアピールしてくる。

ちなみに家庭崩壊は阻止したが透子の髪は金髪のままだ。髪染めに家庭の事情は関係なかったらしい。




続いて3人目。名前を月詠雫。眼鏡をかけて髪は肩にかかるくらいに短い文学少女だ。ゲームでは彼女は小さい頃に大人の男に誘拐されたことがある。警察の活躍により大事にはならずに済んだが、彼女は男性恐怖症になってしまった。ゲームではそんな彼女を主人公君が攻略していくわけだが、残念ながら彼女は既に攻略済みである。


いや、正直いうと予想外だった。誘拐事件を未然に防ごうとして、彼女と接触して友達になったことまではよかった。

ただ防げなかったのだ。彼女はゲーム通りに誘拐されかけた。ただ俺がその男に金的をし、雫を助けたことで結果的に彼女は男性恐怖症にはならなかった。


だが明らかに俺を見る目がおかしい。まるで恋する乙女の目をしている。そう、彼女はどうやらそっちの気があったらしい。ゲームではそのような描写はなかったし、おそらく、東條茜の中身が男であったことが影響したのだろう。正直女の子に惚れられるのは嬉しい。なんなら百合ハーレムも築けるんじゃないか?なんて考えたこともある。が


「なんか目がイってるんだよなぁ……」


明らかに目がおかしいのである。そう、いうならばヤンデレのような目をしている。いや、ヤンデレヒロインは別にいるんですけどもね……




というわけで4人目はヤンデレヒロインこと山井 玲ちゃんだ。彼女は白髪の髪に色白の肌と、とても儚気な女の子だ。正直見た目だけでいうなら他のヒロインと比べて美少女度が半端ない。現実世界から急にファンタジー世界に連れて行かれた気分だ。ただ彼女には少し問題があり、昔から病弱で部屋から出れなかったのだ。勉強も家庭教師を雇ってしていたし、学校というものに通ったことがなかった。ゆえに友達や恋人という存在に憧れを抱いていた。


そんな彼女だが、一切外出を許されなかったわけではない。年に1、2回ほどだけ付き添いありきで外出の許可が出ていたのだ。当然俺としてもそのチャンスは逃したくない。もちろん接触しましたとも。ええ。たくさん話をしました。その結果いつでも家に来ていいよとの許可もいただきました。美少女からそんなお誘いを受けたものですから、それはもう大喜びで毎日家に通いましたよ?夏休みの間は。


中学1年生になってふと最近彼女の家に行ってないなと思いまして、久しぶりに訪ねたわけですよ。

どうなってたと思います?




目が死んでるううううううう

ヤンデレだ! ヤンデレになってるうううううう


そういうわけで彼女からはクソデカ感情を向けられることになりました。定期的に家に通うようにもなりました。じゃないと刺されそうで怖いからね………。幸い彼女の病弱な体質は相変わらずなので向こうから出迎えてくることはないのだけれど、しばらく通っていないといざ家に行った時の彼女の感情のこもってない瞳が怖い…。そんなわけで4人目のヒロインのフラグも無事折りました。折らないほうがヨカッタカモ…。




最後に、5人目のヒロインについてだが、彼女については心配ないだろう。何せ俺の妹だからな!

小さい頃から優しくしてきたため、お姉ちゃん大好きっ娘になってる。

こんな妹が欲しかったんだよ!クソっ!転生して良かった!

ちなみに名前は美鈴。実際に顔は美しい(どちらかというと可愛いだけど)し、鈴の鳴るかのような笑みには世の男どもには刺激が強すぎるだろう。そんな妹だが、1つだけしつこいところがある。

“私”と秋の関係性についてだ。

別に“私”は秋のことをただの男友達としか思ってないし、秋の方もそうだと思うのだが、妹はそうは思わないらしい。

絶対お姉ちゃんに惚れてるよ。だとか、お姉ちゃんも秋兄のこと好きなんでしょ?とか日常的に聞いてくる。

ちげーよ。俺と秋はそんな関係じゃねーよ。


そんなわけで5人のヒロインの攻略フラグは既に折ってある。

後は第二の生を謳歌しつつ、できれば百合ハーレムでも築ければいいかなぁ。なんて漠然と考えている。


ピンポーンッ


おっと、どうやら秋のやつが来たみたいだ。

迎えに行ってやらないとな!

今日も秋といっぱい遊びたいな……

待っててね♡



END




【あとがき】

メス堕ち済み主人公。実は秋君が主人公だったりします。な、なんだってー(棒)

初投稿です。私の性癖を詰め込みました。ちなみにTS百合はHな関係にならなければOK派です。

感想聞かせていただけるとありがたいです。誤字脱字等ありましたら指摘していただけると幸いです。





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