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Question of JUSTICE ~8つの指輪物語~  作者: 瑠璃唐草
第3章 嫉妬を授かりし者
25/73

潤しを求めて

「一介の女盗賊が、ここに何の用かしら? 今日はもう終演だというのに」


侮蔑するような目で、嘲るような笑みを浮かべながら言い放つイメルダ。

対するマリアは、憎悪にも似た鋭い視線を浴びせ、歯を食い縛る。


「あんたこそ……終演しているのに、何故ここにいるの……!?」

「私はただ、次回の公演の為の演技構成を練っていただけ。私は女優なのよ、あなたとは違ってね」

「見え透いた嘘を、よくも抜け抜けと……! だったら、その衣装に付着している大量の血は何なの……!?」


動かぬ証拠を指摘され、それでもイメルダは、ただ呆れたように溜息を吐く。


「……相変わらず目敏(めざと)い女ね」

「私はとっくに気付いているのよ、イメルダ……! あんたが陰で行っている数々の所業を……!」

「私も気付いているわよ……あなたが堅物だって事を……」

「な、何を言って……!」

「だってそうでしょ? あなたには分からないじゃない、演者としての命とも言える【糧】に対する渇きを……人の生き死にこそが、唯一の潤しだって事を」


すると彼女は、この世界に入った動機を語り始めた。


それは、彼女が20歳の時――

当時彼女は見世物小屋で踊子として働いていた。しかし未熟者だった彼女を受け入れる顧客はそう多くなく、苦境に立たされる日々が続いた。

だがある日の夜、どういう風の吹き回しか、彼女は雇い主の男と同衾(どうきん)した。その上、不覚にもその情事を雇い主の妻に目撃されてしまったのだ。

その瞬間、雇い主の妻は我を忘れて激昂し、ナイフを手に取るや否や、男の身体を蜂の巣になる程まで差し続けた。

そして精神が完全に崩壊した雇い主の妻は、最期にそのナイフで自らの喉を突き刺し、命を散らした。

その様子を終始見ていた彼女は、全身の血が沸いて情熱の炎が灯る感覚を覚え、その昂りを踊りにぶつけた。

そんな彼女を偶々(たまたま)目にした興行主によって、彼女は踊子としてではなく、女優として演劇の世界へと足を踏み入れたのだった。


「それがきっかけよ、私が舞台女優の道を歩もうと決めた事の……」

「殺人鬼としての邪道を、の間違いでしょ……!? あんたはその後もずっと、現実味に満ち溢れた演技を求め続けた……! 自らの穢れた手で、多くの人間を殺め続けてまでっ……!」

「フフフ……何がいけないの? 彼等は全員、至高の作品の犠牲になっただけ。観客が魅了し満足すれば、誰もが報われるのよ。あなたの恋人だった男もね……」

「……っ!」


痛いところを突かれたのか、マリアは苦虫を噛み潰したように顔を歪ませ、言葉を詰まらせる。そんな彼女の様子に、イメルダは勝ち誇ったように高笑いする。


「さて……余興はこの程度にしておいて、そろそろ次回以降の公演の演技の洗練をしに行かないとね」

「……行かせないっ!!」


立ち去ろうとするイメルダを制止しようとするマリア。しかし、突如現れた黒いローブを纏った3つの人影によって、行く手を遮られてしまう。

イメルダの使いの者なのだろうか、各々の武器を手に、マリアの前に立ち(はだか)る。


「……っ! 退()きなさいっ!!」


透かさず短剣を出し、応戦しながら強行突破を試みる。だが相手が持つ武器によって、いとも簡単に押し返されてしまう。

それでも懲りずにもう1度強行突破を試みようとした、正にその時だった。


「「「……っ!!」」」


突然人影が、声にならない悲鳴を上げたかと思うと思うと、そのまま前方へ倒れ込んで絶してしまったのだ。

その背後には、長い棒を携えた銀髪の女性とその他3人の姿が……


「あんた……棒術師だったの? というか、何であんた達がここに?」

「ここから怒号みたいな声が聞こえたもんだから、覗いてみたらこんな事になってて……あなたを助けないとって思ったから、つい……」

「まぁ、助けてくれた事には礼を言うわ……あれ? ちょっと待って……という事は、あなた達はこの近くにいたって事よね? だとしたら……イメルダ……イメルダは……!? あの女を見掛けている筈よ……!?」

「イメルダさん……?」

「いや、姿は全く見ていないが……なぁ?」

「あぁ、ここへ来るまで誰とも擦れ違わなかったぞ?」

「くっ……! また撒かれた……!」


マリアはその場に(ひざまず)くや否や、拳を何度も床に振り下ろす。


「イメルダ……! 大女優の仮面を被った死神……!」


それを(なだ)めるように、ショーンが彼女の許に近付き、姿勢を低くして問い質す。


「お前のその口振り……何か因縁めいたものを感じるんだが……何故そこまであの女に執着するんだ?」

「あの女の演技に、多くの人が魅了されているけれど……その陰で、あの女は殺人を繰り返している……人の死に様の演技の【糧】として……でも、周囲の人達は、あの女に心酔し切っていて、誰一人として逆らう事も無い……その結果、あらゆる権力者や富豪達が、あの女の現実味溢れる演技に心打たれている……彼等まであの女の術中に嵌れば、不都合な真実は忽ち闇に葬り去られてしまう……そうやってあの女は、自らの地位を守り続けるの……死ぬまでね……」

「だから彼女を表舞台から引き摺り下ろす、か……だが、本当にそれだけか? 他にも未練がましいものを抱えてるようだが……まさかお前――」

「えぇ、そうよ……察しての通り、私も嘗ては舞台女優を志していた……でも……ずっと思っていた彼が、あの女に心を奪われて……玩具みたいに弄ばれ続けた挙げ句……無残に殺された……だから私は、煌びやかな衣装を破り捨てて、あの女への復讐だけを【糧】に生きてきた……あの女が大陸随一の大女優として君臨し、持て囃され続ける限り、陰での犠牲は止まらない……一刻も早く、あの女の息の根を止めないと……!」


徐に立ち上がって、ゆっくりと歩き出し――


「あの様子だと、恐らく彼女は、ここから北にある別邸へ向かった筈……そこで必ず彼女を討つ……! この悲劇に……必ず終止符を……!」


改めて決意を口にしたマリアは、4人を一瞥して「止めてくれるな」と言わんばかりの鋭い視線を送り、足早にその場を後にする。


「私達はどうしましょうか?」


残されている3人に、ティアナが改めて問い掛ける。


「その別邸に全ての【本物】を知る手掛かりが存在しているなら、私はそれを追い求めるだけです。行かない理由なんてありませんよ」

「さっきの話からして、あの女はまだ何か隠し事がありそうだ。それを洗い(ざら)い吐くまで、俺はこの件に区切りを付ける気は無い」

「あの女、出る船の(ともづな)を引いてる感じがしていけ好かねぇが……アデラもショーンも行くんじゃ仕方ねぇ」


彼女達の答えは既に決まっていたようだ。


「そうですね……では、見失わない内に参りましょう」


アデラ達は駆け足でマリアの後を追った。


――――――――――――――――――


その頃、5人が目指すイメルダの別邸の大庭では、小さな少女が無邪気に走り回っていた。その様子を、メイドと思しき女性が見守っている。


「お嬢様、あんまり(はしゃ)ぎ回ると、転んで怪我をしてしまいますよ?」

「久し振りにお父様が帰って来るから、嬉しくてつい……御免なさい」

「お察しします、お嬢様……それより、お父様の言い付けは守っておりますか?」

「勿論よ! 大丈夫!」

「御立派です。イメルダ様は、相次ぐ公演でお忙しい模様ですからね」


そんな会話をしていると――


「……あっ!」


少女が遠くの方から歩いて来る1人の男の姿を捉え、感嘆の声を上げて、無我夢中で駆け寄っていく。


「お父様っ!」

「コリーナ……!」


コリーナが駆け寄る男は、彼女の父・ジミーだった。彼は我が子との再会に喜びを覚え、彼女と抱擁するや否や、優しく抱き上げる。


「会いたかったよ、コリーナ」

「私もよ、お父様」

「留守にしている間、大人しくしていたか?」

「えぇ、ちゃんとお父様の言われた通りにしてた。あのヒステリックな女の人が来ても、全く近付いてないから」

「そうか……偉いぞ、コリーナ」


ジミーはコリーナを優しく下ろすと、彼女の頭を撫でる。


「御免な、コリーナ……いつも寂しい思いをさせてしまって……」

「ううん……お父様と会えるだけでも、私は嬉しい……あっ、そうだ。私ね、最近木登りが出来るようになったの。お父様、見てて」


コリーナは嬉しそうに言って、近くの木へ向けて走り出す。


「あなたがジミー様ですね? お帰りなさいませ」

「おや? 見ない顔だな……なるほど、新しく雇われたってところか」


ジミーはメイドに会釈をすると、木登りをするコリーナの許へ歩み寄る。

それから程無くして、アデラ達一行が別邸にやって来る。ジミーはその気配を察知し、5人の方を振り向く。


「君達は……あの時劇場で鉢合わせた……この場所を嗅ぎ付けるとは、余程の熱狂的ファンか、それとも……否、何でも無い……済まないが帰ってくれ――と言って帰るなら、ここへ来る訳無いよな……」

「その通りよ」


マリアが1歩前に出て、来訪の目的を話し出す。


「私は、彼女から借りたものを返しに来たの」

「……そうか」


疲弊したかのように、溜息混じりに返事をするジミー。


「まぁ……あなたのような人が、いつ何処から現れても不思議じゃない。彼女の貸しは人の数程ある。だから別に珍しいとも思わないし、驚きもしない」


重苦しい空気が自分の父の周囲に漂っている事など露知らず、コリーナは相変わらず燥ぎ回っている。


「娘さん、ですか……?」

「あぁ……私の連れ子だけどな。ここでメイドと暮らさせている。誰にも……知られたくないからな」

「えっ? 何か理由でもあるの?」

「イメルダは、コリーナには一切興味が無い。コリーナには、イメルダが継母だという事も教えていない。今の彼女は……私と会える事だけが、唯一の楽しみになっているんだよ……」

「……ん?」


ジミーが話している最中、ふとショーンが、少し離れた所に佇む、錆びた金属で造られた大掛かりな模型の存在に気付く。


「おい、あれは何だ?」

「あれ? あぁ……【ルキウスのギロチン】の事か」

「ルキウスのギロチン……? 何ですか、それは……?」

「一説によると、嘗て大陸に存在したイヮンカ王国に君臨していた冷酷な暴君・ルキウス王が、死刑が罰としてあまりにも軽過ぎると考え、あのようなギロチンを造ったそうだ」

「死刑が軽過ぎるだと……? どういう思考回路を持っていたら、そんな考えが浮かぶんだ……? 全く以て理解出来ない……!」

「死刑以上の極刑は、この世には存在し得ない筈なのに……」


辟易したように眉を(ひそ)めるショーンとアデラ。


「そのルキウス王は、あのギロチンでどのような罰を下したのでしょうか……?」

「罪人の代わりに、その者の家族や親族を2人ギロチンの下に伏せさせるんだ。だが罪人は、どちらか一方しかギロチンから免れさせられないんだ」

「正に悪逆無道……無慙無愧(むざんむき)の極みだな……」

「あぁ……そして、選択を迫られた罪人達は皆、心を病んで精神崩壊を起こし、程無くして自らの命を散らしていったそうだ。まぁ、何と言ったらいいか……あれは彼女の趣味みたいなものだ。他にも様々な拷問具を――」

「もういいわ、それ以上言う必要は無いでしょう」


マリアは言葉を遮り、口を噤ませる。


「あなた……本当は全部知っているんでしょ? イメルダという女が、どれ程惨たらしい悪魔と化しているのか……」


彼にとっては、拒否反応を示してもおかしくない程、耳の痛い言葉であろう。だが、彼自身にも思い当たる節があるようで――


「否定は出来ない……ずっと傍で彼女を見てきたからな。無論、彼女が陰で何をしているのかも承知している。彼女の所業に手を貸した事もあるしな……」


彼女の所業に対する恐怖からなのか、それとも手を貸した事のトラウマが蘇ったからなのか、そう話す彼の肩は小刻みに震えていた。

マリアは「これは飽くまでも私の推測だけど」と前置きをした上で再び口を開く。


「あなたはイメルダの事を恐れている。でも、彼女の大いなる名声に逆らえず、服従させられている……どうかしら?」

「彼女に底知れぬ恐怖を抱いている事は認める。でもな……時折、彼女なりの優しさが垣間見える時もあるんだ」


そう言ってジミーは、胸元に光る、羽搏(はばた)く鳥を模ったブローチに触れる。


「このブローチもそうだ……『あなたは将来、間違い無く最高の舞台俳優になれる』と(おだ)てた上で、プレゼントしてくれたんだ。だから、私をここまで育ててくれた彼女を棄てるなんて、私には……」


出来る訳無いじゃないか――そう言いたそうに、今にも咽び泣きをしそうな表情を浮かべながら顔を背ける。


「私の嘗ての恋人も、舞台俳優を志していたわ。でもあなたと同じように、彼女に出会ったせいで心酔してしまった。そのまま彼女の言いなりになって、何の疑問も抱く事無く……自ら命を絶ったの」

「……」


マリアの言葉を、ジミーは眉間に皺を寄せながら無言で聞いていた。


「彼女には、人の心を縛り付ける魔術のような力が宿っている……でも、あなたはまだ幸せな方よ」

「……?」

「引き返せる機会が残っているんだもの。気を確かに持てば、あの悪魔を断ち切る事が出来る筈よ。そうすれば、あなたの娘とも、きっと……」

「お父様!」


嬉々としたコリーナの声に、ジミーは我に返って彼女の許へと歩み寄ろうとする。その際、ほんの一瞬足を止めて、5人に背を向けたまま口を開く。


「君達の事は、イメルダには伏せておく。正面の扉も施錠しておく。だから……済まないが、今は大人しく身を引いてくれ、頼む……」


そう言うと、ジミーは駆け寄ってきたコリーナの手を取って、別邸の中へと姿を消す。扉を施錠する音と共に……


「そう言われて、素直に身を引く訳にはいかないのよ」


無音になった扉に向けて、マリアはそう言い放つ。


「扉を閉鎖するというのなら、私はそれを開放する鍵を探すまで……必ず手掛かりは近くにある筈……あなた達も協力して」

「協力、ですか? 別に構いませんが……」

「何かしらの目星は付いてるの?」

「そうね……あの離れなんか怪しそうじゃない?」


マリアが指差す先には、ギロチンの傍らに佇む、廃墟同然の小屋。

目にしてはならないものが数多く潜んでいる雰囲気を醸し出していた。


――――――――――――――――――


小屋の扉は施錠されておらず、簡単に開けられた。

1枚の窓から差し込む、弱々しい陽の光だけが視界の頼りになっており、かなり心許(こころもと)ない。

その薄暗い室内には、月日の長さを感じさせる赤黒い血の染みが、壁や床にベットリと付着しており、強烈な血生臭さが充満していた。

非常に不快な環境下ではあるが、とりあえずアデラ達は小屋の中を捜索する。


「あれ……?」


その時、古くなった机の引き出しの中を捜していたアデラが、何かを見つけて小さく声を漏らす。


「どうしました、アデラさん?」

「こんな物が引き出しに……」


全員が彼女の許に近付くと、マリアが「それは……」と呟く。


「【Diary】……日記か?」

「アデラ、開いてみろ」

「う……うん」


ジュノに諭され恐る恐る中を開いてみると、どうやらそれはイメルダの手記のようだった。

かなり古びていて、殆どの文字が酷く(かす)れて解読出来なくなってしまっていたが、あるページの文章は何とか読む事が出来るようだ。


――レオナルドは、若くして財を成した、やり手の興行主だった

――彼は、自分の主催する演劇に是非私を起用したいと言ってきた

――彼の目は希望と野心に満ち溢れ、輝きを放っていた

――私は演劇よりも、そっちに興味を(そそ)られていた


――交渉と偽って、彼をこの別邸に招待し……

――手足を縛った挙げ句、何度も串刺しにしてやった

――あの輝きに満ちた目が穢されていく、そう期待していたのに……

――彼はただ泣き叫びながら命乞いを繰り返し、息絶えた


――あまりにも平凡過ぎる最期に、私は心底絶望し反吐が出た

――つまらないものを見てしまった後悔を胸に、彼を庭の土に埋めた

――あぁ……もっと私に、至極且つ唯一無二の糧を


アデラが更にページを何枚か(めく)ると、別の文章が見つかった。


――サリーは私が雇った11人目のメイドだった

――気配りが出来て、メイドの癖に誇り高いのは興味を唆られたが……

――金に対して貪欲なところには辟易とした

――何処の田舎から出てきたのか、この馬の骨は……


――彼女を働かせてひと月も経たない内に、4度も金の話をされた

――まぁ……所詮彼女はその程度の女だという事だ

――身近で適当に働かせながら、私は彼女の最期の構図を考えた


――そして程無くして、私はサリーに昇給を伝えた

――サリーは頬に紅を差して喜んだ

――その後、演技の手伝いと偽って、彼女の手足を縛り……

――彼女の口に、金貨を1枚ずつ詰め込んでいった

――ただの演技の一環だと伝えると、彼女は抵抗する事無く従った

――そして、20枚程詰め込んだところで、彼女は苦しみ出した


――泣き叫びたかっただろうけど、口の中は好物の金貨で満たされている

――文句などあろう筈が無い

――そして、30枚目を詰め込もうとした時には、彼女は既に窒息死していた

――私は良い糧に出会えた事で満足し、サリーを金貨ごと庭に埋めた


――流石にもう11人目……庭から腐臭が出てもおかしくないが……

――私の知った事では無い、次のメイドを雇えばいいだけ


「それが……それこそが、彼女の所業よ」


声に出して読む事さえも(はばか)られる文章と、マリアの冷淡な一言に、4人はただただ言葉を失うだけだ。


「どうするの? このまま私に付いて来る? それとも身を引く?」

「端から身を引くつもりなら、ここへは足を運ばない」

「あぁ。もう賽は投げられたんだからな」

「私達には知る権利があります。今更目を瞑る訳にはいきません」

「そうよ。ここまで来て【本物】を知らずには帰れないわ」


固い決意を口にし、真っ直ぐな視線で見詰めてくる4人に、マリアは溜息を吐きつつも、僅かに口角を上げる。


「あなた達も、相当な物好きみたいね……でも、全員意志を曲げるつもりが無い事は、これではっきりしたわ」


そう言う彼女の手には、1本の鍵が握られていた。


「本棚の裏に隠してあった。きっと別邸の合鍵ね。行きましょう」


――――――――――――――――――


小屋を後にし、再び別邸の前に足を運んだ5人。

鍵を穴に入れて回すと、カチャッと解錠を知らせる音が聞こえた。


「やっぱり合鍵だったみたいね。ただ、中がどうなっているかは私も分からない。あの女の事だから、何かしらの罠を仕掛けてるかもしれない。慎重に行くわよ」


その場にいる全員は改めて気を引き締め、別邸内へ進入していった――

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