2話
暗い。何も見えない、何も感じない。
ここは何処だ?俺はどうなった・・・
「・・・たかしさん」
誰だ?俺の名前を呼ぶのは・・・
「たかしさん、起きてください」
え!?
「はっ!」
俺は眼を見開き、慌てて辺りを見渡す。
雲があちこちに広がっていて、俺の視界の中央には、一人の天使の女性が立っていた。
「天使?」
俺が驚いてそう言うと、天使はクスッと優しく微笑んで続けた。
「初めて見る方は皆さん同じ反応をなさるんですよ?可愛いですよね」
「えぇ!か、可愛い?ですか・・・」
「ええ〜とっても!」
なんだろう?初対面だからか、すごく反応に困るんだけど、こうゆう時はどうすればいいんだろう
俺が困惑していると、彼女がコホンと咳払いをして続けた。
「改めまして、和泉 孝さん。死後の世界へようこそ、私は案内人を努めさせていただいています。天使のミチエルです」
ミチエルは、百点満点の笑顔の後、姿勢を整え一礼する。
「死後の世界・・・やっぱり俺は死んだんですね・・・」
目線を落とし、肩を竦めている俺に、ミチエルは一枚の紙を差し出してきた。
「あなたには、死後の進路について大きく三つ用意されています。」
「死後の進路?」
「よく読み込んでから選んでください」
一、天国か地獄に行って永遠に過ごす、昇天コース ※ 書類選考必須
二、現実世界もしくは異世界に生まれ変わって人生をやり直す、転生コース ※実技試験必須
三、天使の聖なる光で魂ごと消滅する、抹消コース ※ 審査なし(オススメ) by ミチエル
何か最後にとんでもないことが書いてあるんだけど・・・
「最後のは冗談ですよね?」
「本当です♡」
いや、怖いよ・・・
「じゃあ、転生コースでお願いします」
「承りました。では、この先に役所がございますから、転移魔法で手前までお送りしますので、詳しくはそちらの転生課で話を聞いてください」
天界にも役所があるのか、すごいな
「最後にこちらをお持ちください」
一枚の紙を渡される。
「生歴書?」
「転生に必要な書類ですので」
「わかりました。ありがとうございます」
「試験頑張ってください、応援しています」
次の瞬間、俺の周りに魔法陣が形成され、俺は聖なる光の中に消えていった。
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