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転生するには試験が必要です。  作者: 勝羅 勝斗


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14/20

14話

俺と明里は謎の衝撃によって地面に張り付いたように、身動きが取れなくなっている。


「くっ・・・」


「うぅっ・・・」


そして蓮が顔をポリポリとかきながら口を開いた。


「危ねー危ねー、もしあのままお互いに手を繋がれてたらどんな攻撃をされるか分からなかったからな〜」


蓮の口調はとても軽いものだった。


余裕も伝わってくる。


蓮たちは謎の衝撃を受けて、徐々にHPゲージを減らしていく俺と明里を見ながら、呆然と立ち尽くしている。


完全に舐められている態度だ。


とにかくこのままじゃまずい・・・


今考えることは、この状況を一発逆転する方法を考えることだ。


何かないか・・・何か・・・


今俺の目の前には地面しかない。


視界の端から端まで見渡す限り地面が広がっている。


ん?地面・・・


その時俺の脳裏に浮かんだのは、前回の戦いで佳奈さんを倒した時のことだ。


確かあの時は、佳奈さんの足元の地面を消滅させて切り抜けたんだっけな。


もしかしてこの地面を全部消せば今のこの状況を切り抜けられるんじゃないか・・・


イチカバチかやってみるしかないか・・・


俺は決心して目の前の地面に向けて念じた。


「きゃっ!」


「な!」


「えぇっ!」


俺が念じるとドーム会場の片側半分の地面が消滅した。


それと同時に明里を含む他の三人があまりにも突然のことで驚いている。


地面が消滅したのと同時に俺の体にかかっていた衝撃が消えた。


そして明里がすぐさま俺の手を掴んで空中へ移動した。


「なんと地面が!」


審査員の席にいたレナトゥスが一瞬驚いたが、すぐに消滅した地面が魔法で修復された。


「やった・・・の?」


隣にいた明里がとっさに口にした。


「ちょっそれ言っちゃダメなやつ!」


「え?何が言っちゃダメなんですか?」


「それは・・・」


何がダメって・・・


だいたいそう言うことを言う時は、まだ相手が倒れていない展開がお約束だからだ。


そう思って真正面を見ると、蓮と仁美さんが俺たちと同じように空中にいた。


二人は生きていたのだ。


「あの攻撃を受けてまだ生きてるの!?」


明里が目を見開いて驚いている。


まぁそうなりますよね・・・


二人のうちどちらか、あるいは二人とも空中に移動できる能力者って事だろうか。


俺は空中から地面に着地するまでの間に、明里の足の傷とHPを回復させてを無かったことにした。


お互いに修復された地面に着地する。


「何だ今のは危ないな、今の攻撃は俺たちじゃなかったら生き残れなかったぜ」


「これが決勝トーナメントということでしょうかね・・・」


蓮たちが俺の能力を見て驚いていた。


「今のは褒め言葉として受け取っておくよ」


決まり文句のような会話をえると、少しの間沈黙が続く。


「ふっ」


俺はに軽く呼吸を整える。


そして目の前にいる蓮の雰囲気が変わったように感じた。


来る!・・・


と思った瞬間に俺の視界は一瞬で空中に移動していた。


どうやら明里も俺と同じように、蓮の雰囲気を感じ取っていたのかもしれない。


そして、さっきまで俺たちのいた場所の地面がまるで月面のように、ぽっかりと大きなクレーターができていた。


危なかった・・・


あと一歩遅れていたら、俺たちは今度こそ蓮の謎の衝撃によって魂ごと押し潰されていたかもしれない。


「ひぃっ・・・」


隣にいる明里を見ると、顔を青ざめて震えていた。


きっと俺と同じことを思い浮かべていたのかもしれない。


「チッ俺の能力じゃアイツみたいに地面を壊すことはできねぇか」


蓮はそう言うと再び俺たちの方へ視線を向ける。


またか!・・・


と思った瞬間俺の目に映る景色が変化する。


明里が再び瞬間移動したようだ。


しばらくの間俺たちはこの攻防を繰り返した。


「チッまた避けやがった!」


蓮の表情は時間が経過すると共に段々と険しさを増している。


「クソがっなんで当たらねーんだよ!!」


蓮がついに取り乱した。


それを表すかのように、攻撃も雑になっている。


これはチャンス!・・・


「はぁっー」


と思った瞬間だった。


ふと、仁美さんが大きなため息をついた。


そして俺たちへ右手の人差し指を向ける。


何かくる!・・・


「よっ・・・っ!」


避けろ。


そう叫ぼうとした瞬間だった。


仁美さんの指先から光線が放たれた。


それは明里が瞬間移動をするよりも先に、俺たちの体を貫いた。


そしてその勢いで俺たちは別々の方向に飛ばされて倒れた。


「うがぁぁぁぁぁぁぁっ!」


俺は倒れてすぐに生前には経験したことのない激痛を感じて叫んだ。


俺は恐る恐る痛みのする場所を見る。


すると腹に大きな穴が開いていた。


まるでバトル漫画の一コマようだ。


そして、視界の端にあるHPゲージを見ると一割を切っていて、あと一撃でも受ければ脱落は確定だった。


ヤバイ終わった・・・


誰か嘘だと言ってくれ・・・


神様でも天使様でも構いません!俺を助けてください・・・


今のは全部無かったことにしてください・・・


目の前で蓮がニヤリと笑った。


俺はとっさにに自分の体に手を当てながら目を閉じて身構える。


またあの謎の衝撃が・・・来なかった。


「あっ!?」


今の間抜けな声を上げたのは俺ではなく蓮だった。


俺は蓮の間抜けな声を聞いて閉じていた目を開いた。


「どう言うことだ!?」


俺は驚いた。


ふと自分の体を見ると、腹の穴が無くなって元に戻っていた。


それだけではなく、HPゲージを見ると満タンに回復していた。


「な、何なんだよお前のその能力は!」


蓮は叫びながら震えている。


俺は何ぜさっき蓮の攻撃は受けなかったのだろう。


それどころか体の傷まで回復している。


まるでそんな傷など最初から無かったとでも言うように。


俺はじっと動かずにそのままの姿勢で考え込む。


まず仁美さんの攻撃で俺は腹に大きな穴を開けられた。


次に残りのHPが後少しだったのを覚えている。


最後に蓮が攻撃してくると思って身構えた。


蓮の攻撃は来なかった。


いや、蓮のあの反応を見るに確かに攻撃はしたのだろう。


でも攻撃は来なかった。


ってことは俺の能力か・・・


確か俺の能力は、任意で触れたあらゆる物質、事象を消し去ることができることだったけな。


俺は身構えた時のことを思い出す。


確かあの時は、とにかく助けて欲しかったんだ。


神様でも天使でもいから助けてくれと願った。


今までのは全部無かったことにしてくれと願った。


そして自分の体に触れて身構えたんだ。


任意で触れたあらゆる物質、事象を消し去ることができる・・・か


「そう言うことか!」


何で気づかなかったのだろうか。


さっき明里に同じことをしてたじゃないか・・・


明里の傷を治したいと思いながら能力を使っていたじゃないか・・・


「ふふっ」


俺はとっさに鼻で笑った。


「何笑ってんだよ死に損ないがっー」


蓮はそう言うと今までより広範囲に能力を使ったのだろう。


俺の立っている地面を残して、それを中心に地面がえぐれて円形状にクレーターができた。


「な、なにしやがったお前!」


蓮が大声で叫び震えている。


「さぁ、反撃開始だ!」


俺はそう言ってニヤリと笑った。

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― 新着の感想 ―
[一言] まるでゴールド・エクスペリエンス・レクイエムだ…!
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