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7 不束者(ふつつかもの)ですが

7 不束者ふつつかものですが


「二束三文の欠損奴隷だよ!」


出血こそしていないものの、

ズタズタの女性を前にして

ギルマスはそう言い放った。



階段を下りる時、

ギルマスから聞いたのだが

どうやら、ギルマスの腕前は

それなりに知れ渡っているらしく


大怪我をして死ぬ寸前の冒険者(主に亜人)

や重い病気で家族も見放した者など

もうどうにも死ぬしかない者を

奴隷として引き取り、治療しているらしいのだ。


ただし、ここで奴隷として

治療を受けるには条件があり



ラム(35)メス レベル54

虎獣人奴隷:所有者 トシコ・シンクス

冒険者B


HP3/650

MP0/400


スキル

火魔法 雷魔法 剣技 俊足 追跡


レアスキル

魔剣士



「・・・強そうですね・・・」

と俺が彼女を鑑定していると


「当たり前さね!

あたしの所に送られてきたんだ!

優秀じゃなきゃ、

こんなタダ働きしやしないよ!あたしゃ!」



「なるほど」


「さっ!

さっき話した通りにエクサリーをかけて、

あんたの奴隷にしな」


「あっ!はい!」

とエクサリーポーションを新たに作った。


「そう!そうやって魔力をコントロールするんだ!

なんだい?できるじゃないか?

よく1回教えただけでできるよ!

大したもんだ!」


「あっ!ありがとうございます・・・」

と素直に褒められ喜んでしまった。


俺がポーションを大量に作ってしまったのは、

どうも一気に魔力を出し過ぎたらしいのだ!


しかし、普通なら魔力が切れ、

そこで終わるのだが、ポーションを作る際、

俺は魔力が減らない


しかも作るとき、波のように襲ってくるポーションに

圧倒され、走馬灯のように色んなイメージをして、

しまったため2000本以上の

様々なポーションができてしまった。



鑑定したギルマスも不思議がっていた。

「なんだい?この醤油ポーションって?」






ビシャ!ビシャ!ビシャ!


俺は言われた通りエクサリーポーションを

ラムという女性に振りかけていく。


「お、おぉ~」

みるみる内に無くなった手足が生え

、顔の皮膚、髪も元通りになっていく。


あっと言う間に赤く長い髪に引き締まった体、

そして


(大っきい!)


巨胸の鋭い切れ目美人が完成した。


「再生した皮膚の胸元の所に

黒いタトゥーがあるだろ?あれが奴隷紋だ!

あれに触ってさっき言った通りにやんな!」


「は、はい!」

と胸のタトゥーに手を当て


手から俺の魔力を流し続けると




ラム(35)メス レベル54

虎獣人奴隷:所有者 タダシ・セキネ

冒険者B


HP650/650

MP400/400


スキル

火魔法 雷魔法 剣技 俊足 追跡


レアスキル

魔剣士



「あっ変わりました。」


鑑定で所有者の表示が

ギルマスから俺になった。



「んっ・・・ここは?」


ラムさんがゆっくりと体を

起こしてこっちを見た。


しかし、童貞の俺には

(くっ!・・・肌が綺麗過ぎる)

と自然と真っ白い肌から目を反らしてしまう。


するとギルマスが

「ここはホッパーの錬金ギルドだ!

あんたを奴隷として引き取った者だよ!

あたしはここのギルドマスターで

こっちの童貞があんたの主さ!」


「い、いや、童貞はいいでしょ?別に?」




しかし、女性は今だよく状況が掴めておらず


「ホッパー・・・?てっ事は、

アタイは助かったの?・・・」

と、どこか空ろな感じで壁を見つめている。



ギルマスはしばらく彼女を見つめ


「まあ、いい!

そこにお前の装備がある!

着たらタダシと上がってきな!

それとタダシ!」


「は、はい!」


「そのラムはお前の部屋で一緒に寝泊りだ!

しっかり休みな!明日も朝から仕事だよ!」

とギルマスは一人階段を上がっていってしまった。


俺はギルマスが階段を登るのを見てから、

ラムさんに目を戻すと


カチャっ!キンっ!


と皮のビキニの上下にすね当て、

長いロングソードを腰の皮ベルトに収めていた。


俺は彼女をジロジロ見ながら


(耳はやっぱり頭の上にあるんだ! 

・・・目が猫みたいだ!)

と思いつつも


「足首から下はやっぱり虎の足なんですね?

尻尾も結構長いし・・・」

と俺が言うと


「当たり前だろ!アタイは虎獣人だからさ!

あ~そうだ!アタイはラム!冒険者だったけど、

大怪我して治療しようにも治療ギルドに金が払えず

ここに来たんだよ・・・確か・・・

そうだ!ご主人様は?」


「歩きながら話そう!


俺はタダシ!宜しくな!


あっ後、ギルマスにも言われたけど、

俺もこのギルドの職員だし、

ここの内容や秘密は一切、他では、話さないでくれ!」



「わかったよ!」

と階段を登りながら、

ここまでの経緯をお互いに話した。


彼女はチームを組んでダンジョンに潜ったのだが、

途中やたら強い魔物に奇襲を受け、

大怪我をしたらしい。


なんとか、仲間に外まで連れていって貰ったが、

有り金全部払っても無理だったそうだ!


だが、

そこの冒険者ギルドの長がウチのギルマスを

知っていたため、瀕死の彼女に奴隷になる代わりに

助かる事を確認して、ココに送ってくれたとか



俺たちは二階の俺の部屋まで来て


「じゃあ、ご主人様は

この世界の事は全然わかんないって事?」


「まあ、そうなるね!

俺のわかんない事は全部教えてよ」


「全部?!  

あ、あ~別にいいけど・・・」

とラムは柔らかい体で手を背中に回し、

皮のブラを外し始めた。


「えッ?い、いや・・・なんで脱ぐの?」


「えッ?

だって童貞だから女を知らないんでしょ?

今、わかんない事は、

全部教えてって言ったじゃん?」


とラムは恥ずかしげもなく、

上を脱ぐと、履いている皮のパンツに手を掛け

向こう側が見える引き締まった太ももの上を

滑らせ足を上げながら脱いでいき、

最後に腰のロングソードを皮ベルトごと外した。



バサっ!バサっ!ガチャンっ!



「さっ!やろう!ご主人様!」

「・・・・・・」





一方、1階のカウンターで


「ふー・・・」とギルマスが

キセルでタバコを吹かし、くつろいでいると


上から


ギシっ!ギシっ!ギシっ!ギシっ!

と二階から軋む音聞こえてくる。



「・・・・・・」


ギルマスは何も言わず、

カウンターの棚の引き出しから

変わった形の砂時計を取り出し

静かにひっくり返した。



すると、真夜中だったはずの外から

いきなり太陽の光が天井の小さな窓から入ってきた。



「さて、そろそろ、下の煮込みも終わったころだね!

朝メシでも作って・・・」と一旦、カウンターの

今日の納品書をチラっと見るギルマス!


「あ~・・・ココか~・・・

あいつはめんどくさいんだよ・・・

・・・しかたない・・・

今日からタダシに行かせよう・・・」






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