2 速攻でバレる
2 速攻でバレる
「くっそー!」
俺は冒険者ギルドにも治療ギルドにも相手にされず、
ポーション片手にトボトボと町を
さ迷っていた。
昨日の昼ころ、この異世界に来てから
ぶっ続けで活動し続け、もう夕方だ!
「・・・もう30時間も活動してるぞ、
ハー・・・ハー・・・」
もう声も出すのも疲れた・・・
(い、いや、その前に残業もしてるから40時間?
・・・あー!くそ!
これじゃあ、森の中の方がまだ、
マシだったぞ!と、とにかく・・・眠い・・・)
俺は空腹と疲れと何より眠気で
ヨロヨロになりながらも、
ふとっ目線を上に向けると
「錬金ギルド?」
小規模店舗のようなレンガ作りの店の
入り口に看板が出ていた。
今度は突っかかれないように、
そし慎重に、静かに辺りを気にしながら
ドアを開けた!
「・・・失礼しまーす・・・(小声)」
と身を低くして入っていくと
錬金ギルドの中は薄暗く
、天井から束になって、
変な物やビンがいくつもぶら下がっており
天井ギリギリまである下から上へ広がるように
ある変わった棚には、
何かの尻尾や目玉、草が所狭しと並び
奥の方に目をやると
、壁際には何かを作るためなのか大きな鍋や釜、
まな板のような大きさの包丁など
もうただただ、グロく臭う世界が広がっていた。
(・・・ばあちゃん家の臭いみたいだ・・・)
とゆっくりとギルドの一番奥まで行くと
「間違えた!こんなのあったらショックだよ!」
とエロい拷問器具をみながらつぶやいた。
すると
「あんた誰だい?見ない顔だね?」
とこの薄暗いギルド内で、唯一明るい場所と
言ってもいいようなカウンターの奥から
耳が横に長く、白い髪が腰までありそうな
婆さんんがこっちを見ていた。
「あっ!どうも・・・」
「何しに来たんだい?
人族がここに来るなんて珍しいね?」
「えッ?いや、そ、その・・・」
と俺は戸惑いながらも意を決して
コン!
「このポーションを買ってください!
お願いします!」
とカウンターにポーションを両手で拝むように置いた。
「ポーション?」
と俺の手からポーションを取ると、
自身のメガネを外しポーションを
明かりの方に近づけると光越しに、
マジマジと見始めた。
「う~ん・・・なかなか良い物だね!
あんたが作ったのかい?」
俺は顔を上げ
「えッ?あっはい!そうです。」
婆さんはまだ、ポーションを見ながら
「うん!うん!そうかい!良い腕だよ!
濁りもないし、キュポンっ!(蓋を開けた音)
ん~匂いも良い!
これなら、ポーション特有の不味さと
中毒性もほとんどないだろう・・・
でっこれを買って欲しいって事だけど
言い値でいいのかい?」
「は、はい!・・・」
(もうなんでも良い!
金作って今すぐ何か食って宿屋で寝たい!)
すると婆さんが、
今度は俺をマジマジと見出した。
(なんだ?)
ブルっ!
(うおっ!急に寒気が・・・)
「なるほど、変わったスキルを持ってるね!
異世界から来たのかい?」
「えッ?」