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迷宮探索紀行 ~世界一の高層ビルが鬼畜ダンジョンになったらカオスすぎた~  作者: 結城 からく


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第10話 異世界の事故

 俺はミアナの告白を脳内で反芻する。

 側頭部を押さえながら考えつつ、冷め始めたピザを頬張った。

 続きを話そうとするミアナを手で制する。


「おっと、待ってくれ。話が壮大になりすぎだ。最新SF映画のあらすじか?」


 思わず冗談を飛ばすも、ミアナは眉を寄せて難しい顔をした。

 彼女は返答に困りながら俺に言う。


「……大真面目な話だが」


「そうだよな。すまない、続けてくれ」


 俺は苦笑いを浮かべる。

 ミアナは咳払いをして話を再開した。


 ある日、彼女の住んでいた異世界でとある実験が行われた。

 魔術の結界を用いて、危険な迷宮を封印する試みである。


 迷宮とは、異世界特有の現象らしい。

 特定の地域にて、モンスターが無尽蔵に発生するようになるそうだ。

 資源の宝庫という見方があるそうだが、氾濫した際の被害が馬鹿にならない。

 特に八大迷宮と呼ばれる地域に関しては、国が滅びかねないほどの脅威だという。

 だから異世界の人々は、協力して封印することにしたのだ。


 十年前から計画された封印計画は、七日前に実行へ移された。

 しかし、途中で結界に不具合が生じて術式が崩壊。

 空間が歪んだ結果、八つの迷宮と実験に携わる人間は世界から追放された。


 追放された迷宮と人々は、時空を越えて俺達のいる世界に流れ着いた。

 だから現在のアースタワーには、異世界のモンスターと人間が蔓延っている。


 ミアナはこの世界に飛ばされた者の一人である。

 無人の部屋に漂着した彼女はいち早く状況を理解すると、脱出のための準備を始めた。

 薬品の調合こそがその一環だ。


 それらは迷宮を攻略するためのアイテムらしい。

 完成済みの物を見せてもらったところ、爆弾や催涙ガスが用意されていた。


「私の目的は、元の世界へ帰還することだ」


 ミアナは決意に満ちた顔で述べる。

 各迷宮に残された歪みの痕跡を解析し、元の世界の座標を特定することで帰還できるとのことだ。

 よく分からないが、彼女が優れた研究者であるのは伝わった。

 そして、俺の何十倍も厄介でヘビーな状況に陥っている。


「なるほどな……」


 事情を把握した俺は、トマトソースで汚れた手を拭った。

 ふと窓を見やる。

 半ば植物に覆われた状態だが、辛うじて外の様子が窺えた。

 遥か遠くを怪鳥の群れが飛んでいる。

 機銃を乱射するヘリコプターを撃墜しているところだった。


 俺は頬を掻きながらミアナに視線を戻す。


「奇遇だな。俺もここを脱出したいんだ」


 テーブルを小突いて、そこに手を載せた。

 俺は良い笑顔でミアナに提案する。


「お互いに協力しないか。利害の一致ってやつさ」

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― 新着の感想 ―
[気になる点] >時空を越えて たぶん、主人公なりに状況を把握した際の「言葉の綾」であり、深い意味は無く、 単に「時間的にも空間的にも隔絶されている2つの世界の間を越えて」という意味で使っているのだ…
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