第02話 異世界に転生
成仏した俺は花畑の中に立ち目の前には大きな川が流れている。……と思っていたら違った。それはそうだろう、それらは俺たち人間が勝手にそうだろうと想像していた場所に過ぎない。っで、実際にはというと、だだっ広い草原にとてつもなくでかい木、俗にいう世界樹だろうか、がそびえそのわきにいくつかの建物が並んでいた。
「えっと、ここは?」
「やぁ、来たみたいだねぇ」
不意に後ろから声がかけられたので振り返ってみた。
するとそこには、神様然とした1人の白髪で白いひげを生やした爺さんだった。
「えっと」
「ふむ、ワシはこの世界の神ゼラナギじゃよ」
思った通りの神様だったようだ。
「ゼラナギ様ですか、えっと、八山誠人です」
ゼラナギ様に続いて俺も名乗った。
いくら人見知りで人づきあいが苦手な俺でもこれ具合の最低限の言葉は交わせる。
「ふむ、では、誠人君にはまずこの場所の説明でもしようかのぉ」
どうやら、ゼラナギ様がこの場所を教えてくれるようだ。
「お願いします」
「ふむ、この場所は、いわゆる神界と呼ばれる場所で、ワシら神々が住んでおるんじゃよ。だから、本来君のような人間がやってくる場所ではないんじゃ」
えっ、どういうことだ。もしかして、俺は紛れ込んでしまったのだろうか、そうなると、やばいんじゃ。
さすがの俺も少し焦った。
「お父様、それでは、誠人さんが悪いみたいじゃないですか」
俺がそう思っていると、そういって1柱の女神様が現れた。
「おお、アマスか、戻っておったのか」
「ええ、誠人さん」
アマスと呼ばれた女神様が俺を見てきた。
「は、はい」
あまりにも美しいその姿に俺でもドキッとしてしまった。
「初めまして、わたくしはアマスといい、創造神であるゼラナギの娘で光を司っています」
「光、ですか」
「はい、そうですね。日本人である誠人さんには、アマテラスと名乗ったほうが分かりやすいかもしれませね」
えっ、アマテラスって、もしかして日本神話の天照大神のことか。
「そうです、太陽の神としてあなたの星ではあがめられています」
まじかよ。
「そして、肝心のあなたがここにいるわけですけど、実は、誠人さんにはお願いがってお呼びしたのですよ」
「お願い? ですか」
神様が俺にお願いって一体何だろうか。
「それは、僕の方から言おうかな」
その時また1柱の少年のような神が現れた。
「やぁ、僕は、エリスファイっていって、ゼラナギとは別の世界の神だよ」
エリスファイ様はゼラナギ様を呼び捨てにした。ということは同格の神、つまりはその世界の創造神なんだろうか。
「そうそう、そういうこと」
さっきから、心を読まれている気がするが、まぁ、相手が神様なら当たり前か。
「それで、神様たちからのお願いって、一体」
あまりにも高位の存在からの願いとあって少々何を頼まれるのか怖い気がする。
「そう緊張なされなくても大丈夫ですよ」
「そうそう、頼みっていうのは、僕の世界に転生しないかっていうものだからね」
「転生、ですか」
「うん、まぁ、といっても、本来君たち人間をはじめとしたすべての生き物が僕の世界とゼラナギの世界で転生を繰り返しているんだけどね」
エリスファイ様によると、俺もかつてはその世界の人間として何度も生きていたようだ。
「でも、これまで転生というのは前世の記憶を消しているんだけど、最近たまに前世の記憶を持って生まれちゃう人たちが出始めちゃってね。君も聞いたことない」
確かに、そういう話はたまにある。
「まぁ、だからといって別に不都合はないんだけどね」
エリスファイ様はそういって少し苦笑いした。
「そこで、思い切って、こちらの世界から記憶を持った状態で、赤ちゃんからでもなく15歳ぐらいからエリスファイ様の世界に行ってもらおうと考えたわけです」
「つまり、これは、実験じゃな。これで、お互いの世界にどういう影響が出るのかを知りたいんじゃよ」
ゼラナギ様があっけらかんとそういった。
「実験ですか」
「もう、お父様ったら、また、そんな言い方をして」
実験といったゼラナギ様にアマス様が苦言を言った。
「はははっ、まぁ、でも間違いはないよね。実際、これまでやったことないことだからね。でも、大丈夫だよ。そんなに影響なんて出ないと思うからね。でも、まぁ、君次第では出るかもだけど」
「それはどういう」
俺はエリスファイ様の言葉に疑問を投げかけた。
「これから誠人君に行ってもらうところの文明は低いからね。誠人君にもわかりやすく言うと、いわゆるファンタジーの世界だからね、魔法もあれば冒険者もいるような世界だから」
ゼラナギ様がそういったことですべてを理解した。
つまり、俺が地球の知識や技術をその世界で下手に広げてしまえば急激な発展を促してしまう。確かのそれはかなりでかい影響となりえるだろう。
まぁ、俺としてはそんなことをするつもりはないし、できないと思うけど、そこまでの知識はない。
「わかりました、そのことは気を付けます」
「うん、そうしてくれると助かるよ」
「それで、行ってくれるかのぉ」
「そうですね。面白そうですし、行ってみようかと、ああ、でも、何か俺がやることってあるんですか」
俺は一番気になったことを聞いた。
ファンタジーの世界となるとまさか魔王とかいるのだろうか。
「僕の世界には、魔王はいるよ。もちろん勇者もいるけどね」
聞けば、俺がこれから行く世界には時々魔王が現れる。それというのも魔王という共通の敵を用意することで世界の争いをコントロールしているからだそうだ。それから勇者もまたそんな魔王を討伐するために旗印と希望として生まれるそうだ。
まぁ、エリスファイ様によると勇者と魔王の戦いは必ずしも勇者が勝利するものではないという。これまでの歴史でも勇者が敗北したものもあれば勇者が生まれなかった時代もあるらしい、その場合は世界中が手を組んで何とか討伐したという話だった。
「今も魔王は生まれているけど、勇者もちゃんと生まれているからね。誠人君は別に魔王を気に掛ける必要はないと思うよ。まぁ、別に勇者の代わりに討伐してくれてもいいけどね」
いやいや、俺にそんな力はないですよ。
「誠人さんの自由に生きてください。わたくしたちがお願いしたいのは転生してもらうことです。そのあとのことについてはわたくしたちが言うことは何もありません、何かの商売をしてもいいですし、冒険者として未開の地を開拓してもいいです。なんだったら新しい国を作ってもいいですよ」
とにかく何でもいいらしい。
「そうそう、あの星には未開の土地なんていっぱいあるからね。僕としても急激な文明の発展に気を付けてもらえれば問題ないし、ゆっくりだったら文明の発展も望むところだしね」
「わかりました、何か考えてみます」
こうして、俺は神様たちからの願いを受け、異世界転生をすることになった。
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