バレンタインに渡す物はチョコと限らない? 【いち】
今回は少しだけえっちぃけど、大丈夫だよね?
引っ掛からない様にはしてあるけどね。
週末、何時もなら咲と二人きりでイチャイチャして過ごすけど、今日は何時ものメンバーでお出掛け。二人きりの時間が減るのは非常に不服であるが、楽しそうな表情をしている咲を見れるだけでも良しとするしかない。
「それにしても色々なチョコレートがあるね」
「コレなんか美味しそうだよ?」
「あっちで限定販売のがあるって!」
「先輩、コレなんかどうですか?」
「……………」
好きな人に送る……バレンタインチョコを見に来たのだが、私達は自分自身の為に買いに来たのだ。好きな人へ渡すって私達には関係無い。
「恋、ちょっとこっちに来て」
「ん」
咲に連れられるまま付いていく。
大勢の女性客達から離れ、人が誰も来なさそうな所までやって来て、周りを見回したと思ったら、そのまま私にキスして来た。
「恋の表情見てたら分かるよ。私だって恋と二人きりでイチャイチャしたいもん」
「咲……」
今度は私からキスをする。咲がしたよりは長めにしてから離す。本当は舌を入れたかったが、流石に収拾がつかなくなりそうなので止めた。
そう言うのは家に帰ってから。それに欲情した咲を見て良いのは私だけ。誰にも見せたくない。
「恋、今エッチな事考えてたでしょ」
耳元でそんな事囁かれたら、我慢出来なくなる。
「でもダメだよ。皆が心配するといけないから戻ろう?」
「…………今夜、覚悟してよね」
「そんなの今更でしょ」
やっぱり私は咲の事が大好き。
嫉妬して、独占欲強くて……それでも咲は、そんな私の事を好きだと言ってくれて、全てを受け入れてくれた。
「咲達、欲しい物買えた?」
「私はだいたい買えたよ」
「私は、この1つだけで十分」
「そっか。あれ?佳奈達は?」
「向こうの方で何かやってますね」
「あの二人はまだ時間掛かりそうだから、私達だけ先に出てようか」
バレンタインの特設コーナーから離れた私達は、ショッピングモール内に併設されているカフェで、佳奈達が来るのを待っていた。
「あの二人はどれだけ買う気なんだ?」
「LI○Eの返事も来ませんね」
「まぁ、私達も買う物買ったし解散しようか」
「そうだね」
チラッと咲に見られた気がした。
何が言いたいのかは分かってる。
そんなわけで、このまま解散となったらしい。
これで咲と二人きりで居られる。
「このまま恋とデートしたいけど、そうなると荷物が邪魔だよね」
「………いっぱい買ったね」
「美味しそうだったからつい……それに恋と食べさせ合いっこしたいから」
顔を真っ赤にして恥ずかしそうにしてるけど、私達それよりももっと恥ずかしい事してるのだが、咲にはこっちのが恥ずかしいらしい。
「じゃあ、お家帰ってやる?」
「うん♪ デートは今度にしよう」
嬉しそうな咲の顔を見ただけで、早く家に着かないかなと思った。