17/17
1年後の私達
新学期を迎えてからかなりの月日が経ち、それぞれが自分の進む道へ日々奮闘しつつも、それなりに充実していた。
時に息抜きとしてデートしたり、校内でも変わらずイチャついてたり。そんな日常を繰り返しながら季節は巡り、卒業式を数日後に控えるまでやってきた。
「この一年、苦しい時もあったけど、皆揃って卒業出来て良かったよ」
「あはは」
「私は咲と一緒なら留年しても構わない」
「恋、そんな事言わないの」
「まぁまぁ。でも皆と会えるのは、卒業式で最後かな」
「そっか、美優と桜ちゃんは卒業式の次の日には京都へ旅立っちゃうのか」
「はい。荷物などは既に先方へ送ってあります」
「寂しくなっちゃうけど、向こうでも頑張ってね」
「有難うございます。咲さん達も頑張って下さい」
結局、私は恋と同じ国立大学を受験する事になり、猛勉強してた反動で期末テストの存在を忘れ、危うく留年する所だった。
何とか留年せず回避出来たのは、恋を初めとする皆が居たからだ。
春からはバラバラになっちゃうけれど、恋とはずっと一緒なら大丈夫。
「咲……」
「恋……」
この恋が覚めない限り私達はずっと一緒に居る。