進路希望調査票と将来の夢 【ご】
お久しぶりです。
今回から本編戻るのと、少し短めになってしまいました(*_ _)
期末テストが終わった。
進路に関係してくると先生に言われ、今まで以上に頑張った。
そのお陰で二学期の期末テストより成績は上がったが、それは私だけで無く皆も同様に上がっていた。
いつも通り学年順位50位までの人達の成績が、渡り廊下に張り出されて、それを見に来る人達でいっぱいになっていた。
「恋の成績が学年3位……」
唖然とする私の横で平然としている恋。
「まだまだかしらね」
「桜ちゃんも何気に10位以内に入ってるのが凄い!」
「有難うございます」
照れてる彼女は可愛い。けれど、そんな事は本人疎か恋の前では言えない。言ったら確実に自宅に監禁される。
「でも、やっぱりトップはE組の千住さんかぁ……」
「彼女に勝った試しが無い」
「彼女は次元が違い過ぎるよね」
「次は彼女には勝ちたい」
「恋、トップ狙えるの!?」
「負けない」
「はいはい。取り敢えず他の人の邪魔になるから教室戻ろう?」
「そうだね」
**************
「葉月、掲示板見た?」
「見てない。けど、見なくても大丈夫よ」
「そっか。葉月の事だから今回も10位以内に入ってるよね」
「それ知って何になるの?」
「別に~ ただ何となく言っただけだよ。それよりも葉月と同じクラスで居られるのは残り1ヶ月も無いのか……」
「別々のクラスになっても、こうやってお昼休みに会えば寂しく無いでしょ」
「それもそっか!」
え!? 本当に由希は寂しくないの?
もっと駄々こねると思ってたから以外だ。そんな事を思っている私の方が、会えなくなるのが由希より寂しいと思っていたらしい。由希と付き合い出してから、私の弱い部分がどんどんさらけ出されたみたい。それに、由希がこんなにも大人だったなんて、自覚させられちゃったな。
「葉月、急に黙っちゃったけどどうかした?」
「え!? な、何でも無いよ」
「本当に? 寂しいとか思ってるでしょ」
「そんな事………うぅ、本当は寂しい」
「やっぱり」
ジト目で見られてる時点で、嘘付いてるって事が由希にバレてた。勉強では勝てても、気持ちでは勝てないままなのかな……
それに何だかんだ言っても、私の事大切にしてくれてるのは分かる。今だって抱き締めて、頭も撫でてくれてる。私が寂しく無い様にしてくれるのが嬉しい。
「私だって昼休み会えるとはいえ、それ以外で会えないのは寂しいよ」
「由希……」
同じ気持ちだって分かっただけで、こんなにも幸せになれるものだろうか。
改めて由希を好きになって良かったと思う。