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✧ 詩 ✧ ふたり

まだ見ぬ恋人の追憶

 


 それは、まだ知らぬ記憶の追想


 誰よりも美しいあなたは

 誰よりも憂いに沈む目を伏せて

 ひとり静かに教室の隅で本を開いて


 誰よりも心をときめかせるあなたは

 誰よりも悲しい思い出を胸に抱いて

 さざめく教室の陰で未来の恋人を想って


 きっとその時、あなたは、まだ見ぬあなたを探し求める恋人の姿を見ていた


 薄いサージのスカートを初夏の風に揺らしていたあなた

 誰もいない教室で、少年のような凜々(りり)しい目で未来をみつめていた、あなた

 誰もいない教室の窓から、背筋をまっすぐ伸ばして遠くを見つめていた、十七歳のあなた

 

 あなたはいつまでも何も変わらない

 何も変わらないことを、僕は知っているから


 あなたの純潔も、あなたの純情も、あなたの憧れも、あなたの瞳の輝きも

 あなたの胸のときめきも、何も







Gabriel Faure plays Pavane, Op. 50, 1913 Welte Mignon recording.


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