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末期の引きこもりが魔王のペットになって全力で愛でられます。  作者: 雪野ゆきの


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これぞハッピーエンド!




 あれから数年程経って、私の外見は成長した。これは本当にパパさま様様だ。

 成長したと言っても人間の十歳くらいだけど。私は元々小柄だったみたい。

 大人の女にはなれませんでした。


 そして成長したのは外見だけじゃない。この数年で、以前は分からなかったいろいろなことが見えてくるようになった。

 例えば、パパさまが私の本当のお父さんってこととかね。



「キティおいで」

「はいパパさま」


 パパさまの所まで歩いていくとヒョイっと抱き上げられた。そしてパパさまはしみじみとした様子で何回も頷く。


「大きくなったねぇキティ」

「これ大きくなった? キティの未来予想図とだいぶ違うんだけど」

「ジークハルトがキティと並んでてもギリロリコンに見えるくらいには成長したよ」

「結局ロリコンに見えてるじゃん」

「前はもろロリコンだったから成長だよ」


 成長……したのかな?


「なんてったってあのキティが働き出したしね」

「正確にはまだだけどね。就職しただけ」


 そう、キティはこの度就職したのです!

 私は正式に開発局の一員になった。といってもこれまでとやることはそんなに変わらないけどね。主な仕事は在宅で好きな物を作るだけ。



 パパさまに連れられてジークの部屋に着いた。中にはレオンとシオン、そしてジークがいる。


「キティ」


 ジークと目が合い、微笑まれた。

 今日は私の人生の節目なのだ。


「叔父上、キティを抱っこさせてくれ」

「はいよ」


 パパさまはすんなりと私をジークに受け渡した。

 ジークが私の頭に額を押し当てて呟く。


「少し寂しい気がするな……」

「そうだねぇ」


 ―――そう、私は今日魔王様のペットを卒業するのだ。

 キティ、自立への一歩を踏み出します!


「……」


 名残惜しいのか、ジークは無言で私をギュウウと抱きしめて離そうとしない。



「……魔王様、そろそろキティを下ろしてください」

「……ああ」


 レオンに言われてジークは渋々といった様子で私を床に下ろした。

 そしてレオンは何かの箱をジークに渡し、横に控える。

 ジークはその箱をパカリと開き、何か紙を取り出した。


「? なにが始まるの?」


 状況がよく分からないでいると、シオンが口を開いた。


「卒業証書授与」

「ぴ?」


 卒業証書授与?

 あれか、ペットを卒業するからってこと?


「魔王様、キティに渡してあげてください」

「ああ。汝、健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも……」

「ノット結婚式。気が早いです魔王様。卒業証書にそんなこと書いてないですよ」

「……卒業おめでとうキティ」

「あい」


 ジークから卒業証書が手渡される。

 うわぁ、なんだかちょっと照れるけど嬉しいなぁ。私学校とか行ってないから。

 思わずへらりとした笑みが漏れちゃう。


「でもこれでペット卒業だと思うとなんか寂しいものがあるね」


 そう言ったらジークにさらりと頭を撫でられた。


「……卒業祝いに俺からキティに贈りたいものがある」

「なに?」


 私に贈り物があると言ったジークは小箱を取り出した。

 そして手のひらにおさまるくらいの小箱を渡される。なんだろ。


「開けてくれ」

「うん。……!!」


 そこには指輪が入っていた。

 私の前にジークが跪く。




「キティ、結婚しよう」




「は……」

「いやいやいやいや早いでしょ。さっきちょっと匂わせてたけどまずは結婚の前にお付き合いでしょ? そんなダイレクトに結婚なんてお父さん許しませんよ」


 ……はいって答えようとしたらパパさまに遮られた……。


「今までが付き合ってたようなもんだろう。同棲カップルより同棲カップルしてたぞ」


 おお、ジークの口から同棲カップルなんて俗っぽい単語が出るなんて。


「ちゃんと恋人として付き合ってみると、この人とは意外と合わないな? とかなったりするんです~」

「ということは付き合うのは認めてくれるのだな。じゃあキティ、結婚を前提に付き合おう」

「うん」


 コクリと一つ頷いて承諾するとおでこにちゅっとされた。


「はっ! 流れで交際を認めてしまった……!!」

「もう発言の撤回はできんぞ」

「ぐう……」


 パパさまは片手で胸を押さえてよろける。


「さあキティ、さっそく恋人になったのだからデートでもするぞ。花見にでも行くか」

「うん!」


 ジークはパパさまをスルーし、フワリと私を抱き上げて開け放った窓から外に飛び立った。


「ジークハルト! こらああああああああ!!」


 後方でパパさまの叫び声が聞こえた。

 それでもジークは振り返らず、グングンと魔王城から離れていく。

 冷たい風が全身に当たって心地いい。



「キティ」

「!」


 暫く飛行を楽しんでいると、不意に左手をとられ薬指に指輪を嵌められた。

 薬指から視線を上げると、ジークが微笑んでた。



「キティ、大好きだ」



 じんわりと喜びが胸に広がる。




「うん。私もね、ジークのこと大好きだよ」






「愛してる」






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