亜衣紗と新ヒロイン
どもども!天雨 貴樹です!今回四作目ですが、見てくれている人がいるのでしょうか…ま、そんなことは気にせず前作でのあとがきでも書いた新ヒロイン!今回も頑張ってみたのでよろしくお願いします。
僕は行きたくもない学校に向かうための駅に向かっていたときに、後ろから何度も名前を呼ばれていた。
「こーちゃん!こぉ~ちゃ~ん!」
待て待て、僕をこんな呼び方するのは…
僕は朝、亜衣紗におはよう?と言われたのだが、確か…
「虎荒~!起きないのね!まだ寝てるよね…」
なんか体が熱いな…そう思いながら目を開けると抱きついている亜衣紗がいた。
「えっ!?亜衣紗…何やってるの?」
「っ!!!」
亜衣紗は顔を赤くするのではなく走り去ってどこかへ行ってしまったのだが…
こんなことがあったということは、今日は亜衣紗が出てくる日だということだ。だが、僕のことをこーちゃんと呼ぶのは一人だけいた。胸組 菊通称菊ちゃんだ。菊ちゃんは、僕たち兄弟の幼馴染であり、僕のことを唯一兄さんと比べない女性だ。
「こーちゃん!いい加減返事してくれても…」
「菊ちゃん朝から恥ずかしいよ。僕に何か用があるの?」
「あ、ごめんね。用はないけど…えと…今日も学校行ってらっしゃい」
「うん…行ってきます!」
これが僕の平日の日課のようなものだ。朝登校する通り道にある菊ちゃんの家から毎回言ってくれるのだ。そういえば菊ちゃんはいつからあんなに僕を気にかけるんだっけ…
菊ちゃんとは昔から一緒だった。兄さんと同い年で、今ではお姉さんのようで胸もとても大きいが、昔はとても静かで周りに嫌われているような女の子だった。たまたま近くで遊んでいた僕が声をかけて、僕たち兄弟と仲良くなったのだが、こんなに僕を気にかけるようになったのっていつからだっけ…どうして兄さんも変わったんだ?兄さんの事は少し記憶、今とは全く違って運動、成績どちらも普通で、親に会社を継いでくれと言われていても断っていたかっこいい兄さんだった、今ではなんでも出来て会社も継ぐことを決意したエリートだ。どうしてなのかわからないが、菊ちゃんと同じように変わってしまった理由が思い出せなかった。それには理由があるのだが、僕は昔の記憶が一部ないのだ。なぜないのかも分からないが、僕の周りにあったものがないような感覚に襲われることが多々あった。今ではその感覚こそ薄れたが、まだ感じる時がある。どこか寂しいような感覚なのだが…そんな事を思い出している間に僕は学校に着いていた。
僕は自分の教室の自分の席に座った。僕の席は窓際といつも決まっている。いじめられているわけではないのだが、何だか学校で浮いている存在であるのは間違いない。女子からは兄さんの弟だからという優遇、男子はそんな女子の群がる僕のことを勘違いして、妬みや恨みの視線を送るついでに、席もここに固定している。基本的には嬉しくないのだが、いい点もあった。ヒロイン達と僕が会えるようになってからは、窓越しで会話ができるのだ。もちろん彼女たちは浮いている。僕も浮いているが、そこは突っ込まないで欲しい…ここは三階だ。席ついてから授業が始まった頃に、亜衣紗が戻ってきた。
「あんたいつ終わるの?まさか私を待たせるの?今すぐ…そのぉ…で、デートしなさい!」
「無理だよ。また後でな」
「フンッ!もう知らない!」
またどこかに飛んでいったツンデレツインテールロリ。これは放課後にケーキとか買わないと機嫌悪いままだな…土日のデートイベント的なのを出来ないと、咲花と特に亜衣紗がうるさいのだ。音夢は毎日お疲れ様だね!次のデート楽しみだよなどといって僕に優しくフォローしてくれる。
そういえば、なぜケーキかと言うと、こっちの世界での亜衣紗の好物だからだ。ケーキをあげれば静かになってくれることはもう知っているため、何度かこの対処法で切り抜けている。そろそろ変えないと気付かれるな…
僕は今日の授業が終わったため、早く校門まで行き亜衣紗を探していた。毎回ではないがあいつがいなくなると帰りの時間位に戻ってくるのだ。
「おーい!あいさ~!ちょっと買い物に行かないか~!」
と、呼びか…ってやべっ!声に出しちゃったじゃん!例により彼女たちは見えないため、完全に頭のおかしい奴だと思われた…
「あいつ今なんて言った?」「気持ち悪~い。だから勇也さまとなんか違ってモテないのね~」
等と言われる始末。思った通り亜衣紗が校門まで歩いてきたので、無理やり手を引きケーキ屋へと小走りに向かった。
「な、なによ!虎荒の分際で私に触れないで!」
「ごめん!今だけは許して!」
「なによ…もっと恥ずかしがったりしてよね…」
全くめんどくさいツンデレだ。亜衣紗は何処に向かっているのか知らないため、不安そうな顔で僕を見ていた。
「ねぇ…虎荒…どこに向かってるの?!変なところに連れて行ったらわかってるのよね?」
「変なところってどこだよ!向かってたのはこのケーキ屋さんだよ」
聞かれたタイミングでたまたま店に着いたので指をさしながら説明した。
「あ!ケーキぃ~!やったぁ~!」
目を輝かせながらケーキを見る亜衣紗を見ながら僕は、あんな顔僕にもしてくれればいいのにと思った。
ケーキ屋で自分、亜衣紗、一応兄と菊ちゃんの分も買って帰ることにした。
四作目が終わり次は五作目。自分の物語の折り返し地点となり、ここからがトップスピードでぶっ飛ばしていくのでついてこられる方、ついてこられる自信のない方も次回をお楽しみに!
次回も二日後の20時に投稿します!